内容説明
ありふれた街のありふれた風景のなかに架かる一つの橋。それは三つの方向から延び真中で交わる橋。上空から見ればY字型をした橋。その橋の上へと読者を誘う三つの物語。日本軍によるニューギニアに於ける人肉喰、ナチスによるユダヤ人虐殺、ヴェトナム戦線から脱走したアメリカ人の困惑。人間の存在と意識を極限の形にまで昇華させた名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
132
著者の戦争の影が 色濃く 反映された物語である。四郎が みどりに語る 友のニューギニアでの過去 …ナオミが見た ユダヤの悲劇…そして 朝鮮戦争孤児 ジンギス汗… 戦争を題材に 儚い人生の幻影を描く…そんな作品だった。2020/03/03
laptop
3
アイデアが面白い。一気にファンになった。2023/03/20
kemonoda
2
久しぶりに読み返して、堀田さんの小説の中で、ある意味、一番好き(いや好きというのと違うかな)一番印象に残っている小説かもしれません。戦争という状況の中で、ある極限の状態におかれて「人間であること」からとりのぞかれた3人の主人公の物語。人肉喰と虐殺と脱走兵の挿話。「人間であること」からとりのぞかれた人間はどうなるのだろう?でも、それが戦争ということなのだと思います。そうして、堀田善衛さんの物語はやはりいつもあの「戦争」のところに戻っていくのだなあと改めて思います。2014/03/19
てったい北関東
2
人間たらしめる国家、人間でなくしてもしまう国家。どちらの立場にもたち得てしまう、人間とは、戦争とはなんなのか。2013/03/19
Yoshizu_mi
0
橋の真ん中2016/11/04