内容説明
波打ちかかる岩の合間を縫い、断崖の裾を這う海鳴りの道。朽ちかけた橋を渡り、深山へ吸い込まれてゆく夕暮の道。破れかけた土塀の道。桃源郷のような花霞の道…。水を、作物をになって小道をたどる人々への眼差しをやしない、日本を再発見する13の旅。水上文学の原風景をなす名紀行。
目次
北冥の岬・尻屋
伝説のふるさと・遠野
絶壁の地の果て・親不知
奥能登の海石
花と波濤の越前岬
奥美濃の秘境・郡上安久田
奥伊賀の忍者郷
湖北巡礼
波暗き与謝の細道
古城の町・丹波篠山
雷電海岸の孤愁
忘れられた港町・土佐宿毛
沈みゆくシラスの燃島