内容説明
那須高原のはずれの、ひなびた町で暮らしはじめた転校生オサム。全く生活力のない画家の父、一家を背負うしっかり者の母、漫画家を夢見る兄。家は貧しく、子どもなりのいろいろな苦労があったけれど、毎日が冒険に満ちていた…。栃木の豊かな自然を背景に、少年オサムの成長をみずみずしく描いた、自伝的小説。第10回坪田譲治文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
5
東京の家が戦災で焼け出されたため、3年前に栃木県北に引っ越してきた小学一年生の修を主人公に、家族・友達・学校生活を綴った小説。仲の良い友達との楽しい日々があるかと思えば、クラスのいじめっ子からどう逃れるか、授業風景も描かれる。しかし家庭内では有名な画家になって裕福になる夢を持ちながらさっぱり絵を描かず家でぐうたら過ごす父、修の兄・勉を含めた家族4人を養うため必死に働く母とは喧嘩が絶えない。「大人の事情」に振り回された修の憤りには共感する。2024/04/18
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1
坪田譲治文学賞受賞作、自伝小説、らしい。話のわりに悲壮感がそれほどなかったのは、ふがいない父としっかりものの母の存在、時代背景があったからだと思う。転校も、両親が別々に住むのも、わりとよくある話に感じられたし。これじゃ仕方ないよな、と読みながらしみじみ思い、でもがんばれオサム、と励ましたくもなる。続編かあるらしいが、たぶん読まないと思う。作者は思い出を振り返り楽しいものかもしれないが、読者の自分にとって、出てきてはいなくなるキャラクターたちとのさりげない別離は切なく、2冊めは遠慮したい。2014/12/19
Taichi Sakamoto
0
十代前半のとき読んでおきたい一冊。その後時間たってから、また読んで欲しい。
歴史大河
0
なんか少年時代のような感じのお話。2006/03/11
Ranko Taguchi
0
702008/06/26