内容説明
「紙」は、西暦105年、中国・後漢の宦官・蔡倫が発明したとされる。その製紙技術は、8世紀半ばに中央アジア・サマルカンドへ至り、イベリア半島へ伝わったのは、12世紀初頭であった。思想・宗教を載せて運んだ文明の母「紙」。その圧倒的な伝播力を示した道すじ=「ペーパーロード」という新しい史観により、古代から千年余りの時をたどり、ユーラシア大陸を東西に駆ける壮大な歴史紀行。
目次
ロプ・ノールの紙
桑麻長びたり
宦官の“エネルギー”
中央アジアを舞台に
条支海上の波
タシケントにて
西域をゆるがしたもの
高句麗僧曇徴の来朝
棗木伝え刻す
匈奴の自尊心
不屈の民ソグド人
ティムールの美意識
ジブラルタル海峡をこえて