内容説明
谷川千百里、27歳。元ファッション・モデルの美貌を武器に会社重役の愛人となり、池袋ではじめたバーは兜町関係者でにぎわった。株に絡む男達の熱気の中で、初めて買った銘柄で千百里は儲けた。株なんて、こんなものか―と思いつつ、次第にのめりこんでゆく。表題作ほか女性を主人公にした五篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょう君
5
19年ぶりに再読(笑)6話の短編集。表題作「女相場師」について。高度経済成長が始まる前の時代。ファッション・モデル出身の主人公、千百里(ちもり)27歳は池袋西口で小さなバーを経営している。父親の事業の失敗で蒲田の自宅が売却されたが、自分の身を売って取り戻す。バーには兜町の証券マンやセールスマンが集まり出し、千百里も経済学部卒の知識を生かしていつしか株の世界に本格的に足を踏み入れる。様々な株に次々に手を出すが、昭和38年相場にケネディ暗殺事件が突発して株式相場で全てを失う。昔の昭和40年代の小説です(笑)2015/08/28