内容説明
十代末に茶の湯の道に入り、五十代で信長の、六十代で秀吉の茶堂となった利休。天下人・秀吉と利休は、にこやかな微笑みのなかに、美意識の壮絶な戦いを繰り広げる。やがて、後継者争いの渦中に投げ出されたとき、利休はどう身を処するか…。織田家に生まれ、秀吉のお伽衆を経て、江戸期まで生き延びた織田有楽斎の目が、二人の強烈な個性を見据える。人の生き方を現代に問いかける歴史巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
37
秀吉がキリシタン禁止令を出した背景に、イエズス会のコエリヨを登場させているのが良かった。あの時代西洋の商人が宣教師とともに日本に来て悪行を働いていたことを小説の中で書くものは案外少ない。また、織田長益(有楽斎)視点と言うのも新鮮で良い。今年の大河ドラマは(私は見ていない)どうにも評判が悪いようだが、この時代をドラマにしてどうして面白くならなかったのか、不思議。どうせならこの小説を原作に作ればよかったのに。2011/12/05
すー
0
侘び茶の極地に利休が傾斜した背景を初めて学ぶ。この時代の俗世間の醜さのせいだと記してる。今の政の世界とは掛け離れてると思ったけど、知らないだけで近い事も多かったりして。。著者の歴史上の人物との距離感が私には好ましい。信長のこと、秀吉のこと忘れていて史実の大巻物が好奇心を刺激!2014/05/05
しゃび
0
自分以外(読書メーターでは)誰も読んでいないってことが一番気になってしまった。タイトルが利休と秀吉の割には利休より淀の出番の方が多い。延々と教科書をなぞってるようだった。2011/05/26