内容説明
陶芸家・長倉英臣の父の一周忌で、石黒義彦は英臣の娘・智子と再会する。彼女との結婚を拒絶された無念さが、義彦の陶芸への必死の修業を支えたのだった。その法要の席で知り合った滋野弥生は、彼の出自について、何か知っている様子である。そして、さまざまな不可思議な事件に襲われる義彦は、自己の五感が異常に発達していることに気づいた…血の秘密から歴史の闇へと誘う、雄渾で華麗な物語世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
56
この方のこの本を理解しようと思ったら、生きてこられた時代背景を理解しないことにはわからないのじゃないかと思いつつ読了。1936年生まれ。物心ついた頃から戦争に明け暮れた日本。9歳で終戦。鬼畜米英と育てられて・・異能を夢見たこともあったはず。それが文章になったのかと思う。私だって猿飛佐助やスーパーマン異能と云うものに憧れた時期があったもの(^^♪2016/07/12
たーくん
8
再読。途中から読むのが苦痛になった。読書体質の変化?→→→陶芸家・長倉英臣の父の一周忌で、石黒義彦は英臣の娘・智子と再会する。彼女との結婚を拒絶された無念さが、義彦の陶芸への必死の修業を支えたのだった。その法要の席で知り合った滋野弥生は、彼の出自について、何か知っている様子である。そして、さまざまな不可思議な事件に襲われる義彦は、自己の五感が異常に発達していることに気づいた…血の秘密から歴史の闇へと誘う、雄渾で華麗な物語世界。 2017/10/25
辺辺
5
図書館本。残念ながら、途中まで読み進められなかった。それなりに面白いはずだと思いたいが、メインテーマが定まらずしばしば私は何を読んでいるのでしょうか?という疑問にぶつかる。何よりも大好きなシミタツ節が弱いのが難点、かな?SF、オカルト、宗教、神話、ハードボイルド等々、欲張りな構成で、どのジャンルに属するか、ちょっとわけわからなくなった。というか、これは多分時間たっぷりを用意して、じっくり腰を据えて何日掛かって読み砕く本でしょう。時期が悪かった。いずれまた挑戦したい。2024/03/26
M
2
父に貰った本(21)。2019年最後の1冊。サスペンスというか、もはやSF的でもあったような。血の繋がりがあまりに複雑過ぎて、途中でよく分からなくなってしまった。好きな人がことごとく死んでいったり、自分のことを殺しに来たり、現象だけを書き出すととんでもないな…。2019/12/10
MIKETOM
2
書かれているストーリーをそのまま読んでいけばそれなりに面白さを感じられる。しかし、読後すぐにこれは何を言いたいんだろうという疑問符が頭の中を駆け巡る。この作品のモチーフはなんなのだ?超人を作りたかったってこと?どうもよくわからない。読んでいる途中も頭の中に「?マーク」が。智子は死んだとして、他にも武装した四人の遺体があったわけだが警察や智子の夫は何をやってる?ダムの放流をした目的は?人間を操って主人公を襲わせたわけだが、何故?『飢えて狼』や『背いて故郷』のシミタツが頭にあるととちょっと混乱してしまうね。2015/12/11