内容説明
ノーベル賞の呼び声高い、ガン特効薬の学会が迫った。前日、発表者である城南大学の瀬尾貴利教授が、脳出血で急逝。しかし、脳出血は巧みに偽装されたもので、殺害の疑いが強まった。当日は共同研究者である、妻のみさお助教授が代わりをつとめたが…。医者をも欺く死因の偽装は、完全犯罪を狙ったものだった。象牙の塔・医学部で起きた密室殺人事件を描く、長編ミステリー小説。
感想・レビュー
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ホレイシア
9
医学は日々進歩している・・・個人的にはかなり疑惑を持っているのだが(だって可愛い赤ちゃんが40代になってもアレルギー一つ治せないじゃん)、少なくともそう言われている。なのでちょっと古い病院ものはどうかなと思いつつ読んだが、専門家でなければ気にはならない程度。お医者さんが書いたにしては文章もそこそこだし、終わり方もなかなかである。今回の私的トリビアは、日本脳炎のワクチンの材料が「ネズミの脳みそ」だということだ。世の中、知りたくないことも山ほどあるわな(笑)。2009/06/18
東山ききん☆
0
お手本のようなミステリーかと思ったが、最後の最後に怖いのをぶち込んできましたね。 主人公の性格が良く、話を上手く回している印象だった。 冒頭の質疑応答シーンの理路整然としたやり取りが好きで、いかにも大学の学問然とした雰囲気が出ていた。2017/03/01