内容説明
倒産寸前の零細代理店・ユニバーサル広告社に大仕事が舞いこんだ。ところが、その中身はヤクザ小鳩組のイメージアップ戦略、というとんでもない代物。担当するハメになった、アル中でバツイチのコピーライター杉山のもとには、さらに別居中の娘まで転がりこんでくる。社の未来と父親としての意地を賭けて、杉山は走りだすが―。気持ちよく笑えて泣ける、痛快ユーモア小説。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。コピーライターを経て、1997年『オロロ畑でつかまえて』で第十回小説すばる新人賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🅼🆈½ ユニス™
153
荻原浩さんのユーモアはやっぱり面白い。娘に対する親の気持ちのも共感できて泣ける読者の方がいるかも。グロい作品やくらい作品ばかり走った後に立ち寄るサービスエリアの感覚で読めると良いと思います。2018/10/12
つるちゃん0719
153
ユニバーサル広告社シリーズ2冊目。今度はヤクザの「小鳩組」のイメージアップ戦略という仕事を引き受けてしまい相手がヤクザなので大変、中々一筋縄ではいかない面々。離婚して妻の方に引き取られた娘の早苗が家出して、杉山の家にやってきます。杉山と早苗のやり取りは面白かった。2018/05/20
佐々陽太朗(K.Tsubota)
153
ユニバーサル広告社シリーズ・第2弾。愉快痛快ユーモア小説。ささやかではあっても仕事に矜持をもつお仕事小説でもある。かつ家族を思う切ない心を綴った家族小説でもある。「読んでよかった」荻原氏の小説を読むといつもそう思う。「世の中、すてたもんじゃない」「今日も頑張ろう」そんな風に前向きな気持ちになる。なんとなくささくれ立っていた気分がいつのまにか潤いを持ち、世の中を見る目つきが変わってくるから不思議だ。次は『母恋旅烏』を読もう。『噂』『さよならバースディー』も本棚にひかえている。しばらく荻原氏の世界を楽しもう。2015/10/09
ひでちん
115
非常に引出しの多い作家さんである荻原氏。 その中でも『ユニバーサル広告社シリーズ』は、氏の真骨頂とも言える、笑いあり·涙あり·感動ありの大好きな物語で、今作も一気読みだった。 筆者の作中に出てくる子供達は皆一様に可愛らしいのが特徴だが、早苗も多分に漏れず可愛らしくて快活で、終盤の父を応援する場面で、(私は離婚はしてませんが)子を持つ親として涙が出た‥‥‥勝也が徐々に心を開いていくさまは良かったのだが、後半完全に『死亡フラグ』が立ってしまっていたので(笑)、レースに参加していてホッとした。2021/04/15
紫綺
108
解説にもあるようが、笑いと泣きはセットになってこそ、互いが引き立つ。スイカに塩を振ると甘さが際立つように…。ヤクザのCI依頼に奮闘するドタバタ劇から、感動の家族愛へ引っぱる展開に、腹を抱え、目尻を拭う。オロロ畑の続編。バブルの頃は、CIが大流行のおいしい時代だったなあ・・・。2012/05/12