内容説明
英雄となるべく運命を背負って生まれた孫堅。17歳の春の日、船旅に出て、海賊に襲われるが、賊20人をたった一人で退治する。豪胆ぶりはたちまち広がり、呉郡一円にその名をとどろかす。この武勇伝は、後の黄巾の乱、董卓の乱平定への序章だった。名著「三国志」を「呉」の視点から描く、著者会心の歴史ロマンが開幕する。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
33
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 購入詳細不明。 2013/6/24〜6/29 10年ものの積読本。読もう読もうと思っていたが、10冊の大シリーズであるので、躊躇して積んでいるうちに、伴野さんが亡くなってしまい、最後の伴野作品となってしまったので、読み惜しみをしていた。随分前に吉川版を読んでいるが、そこは伴野さん。呉に焦点をあて、情報戦を中心に三国志の世界を描き直す。一巻は孫堅が主役。このあと、どんな世界に連れて行ってくれるだろうか。楽しみである。2013/06/29
BIN
8
呉を中心とした珍しい三国志。1巻は孫堅の死まで。表紙見ると張飛じゃないかと思うが孫堅です。正史にある許昌、黄巾の乱、区星などを巧みな兵法を用いて撃破する姿は爽快でまさに名将中の名将。これは演義しか知らない人へ呉の良いアピールになる作品ですね。あとがきにもありますが、情報戦をキーに描くとのことで、これは大いに楽しみになってきました。2016/04/12
蛇の婿
6
孫権の死をもってこの巻は終了。主人公となる予定の孫郎の母親と孫権の邂逅は無理があると思うんだ。あと作者が実際にここ行ってこう思ったとかいらないよね… つまらなくはない。2010/09/22
kazu
4
赤壁の戦い前後くらいでしか日の目を見ない呉をメインにした、珍しい三国志。 司馬遼太郎スタイル(?)で、所々に「筆者」が顔を出してテンポを悪くしてる。 再読だけど、貂蝉が出て来ず、あっさりと呂布が金と名声に転んで董卓を斬ったのには驚いた。今までの三国志にはない新鮮さを求める人にはおススメです。 ・・・それにしても孫堅の最期が、落石による事故死だったり矢に射られて針鼠になたり作品によって違うのは何故なのか?そんな事を想って読み終わりました。2012/10/28
フーリー
4
何度目かの再読。三国志の世界での重要な分岐点がここでしょうね。もしこの場で孫堅、もしくは次巻で孫策が死ななければ、いったい歴史はどうなっていたんでしょう?2012/10/25