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集英社文庫
千年旅人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 232p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087475098
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

無人の浜で、沖を行く船に手旗信号を送り続ける義足の少女。自らの棺にするために難破船を修理する瀕死の男―。自殺願望を抱く青年が、偶然たどりついた海辺で見た、生と死の風景。映画『千年旅人』の世界を描いた「砂を走る船」ほか、全三篇を収録。個人の生死を超越して流れる、時という大河。その河の「彼岸」に渡らず、悠々と流れを下る“千年旅人”たちがいる…。著者の死生観を示す傑作短篇集。

著者等紹介

辻仁成[ツジヒトナリ]
1959年東京生。89年『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞。以後、作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と、幅広いジャンルで活躍。97年『海峡の光』で芥川賞、99年『白仏』でフランスのフェミナ賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

123
ある事情をそれぞれに抱える男の3つの話で構成された物語。テーマは生と死。沖を行く船に手旗信号を送り続ける義足の少女とか、自分の棺にするために難破船を1人で修理する男とか、一見無駄なことをしているかのように見えるのだが、そこに意味を見出すべく考察させようとする作品だなぁと思った。読む人によって感じ方がまるで違うであろうそれを作者は楽しみにして書かれたのではないだろうか。悪く言えば読者に丸投げした感じもしなくはないが、月夜の海へ漕ぎ出す船は1人の死を乗せた悠久の時間の流れを感じさせ、心に残った。2014/10/14

みも

74
「砂を走る船」68頁「シオリ、夜の散歩」72頁「記憶の羽根」74頁、3篇から成る中編集。全体で200頁強というボリュームながら、ページ数以上に濃密な中身に悪戦苦闘。著者の持つポテンシャルの高さは存分に発揮されているとは思うが、如何せん独りよがりな感じがする。具体的事象の描写もそこそこあるが、極めて観念的で、スピリチュアルで、また扇情的でもあり、捉えどころが見つけにくく僕には難解であった。著者の死生観は、僕の思いが及ばない高みにあるのだろう。哲学的というよりは感覚的な小説であり、感性で浸る作品と言えようか。2019/08/20

16
「砂を走る船」「シオリ、夜の散歩」「記憶の羽根」を収録した短篇集。 読解能力の低い私にはハードルの高い作品でした。2023/12/14

あや

12
わたしは辻さんの文体が読みやすくて好きなんだと気づきました。内容は死についての短編なので暗いと思いますがフランス在住の辻さんなので、エロティックな描写もあります。いやらしくなく詩的な幻想的な文章だと思います。映画にもなったそうです2020/02/24

ペミカン

5
フランスに息子さんと暮らしている彼の、40歳での作品と知って驚く。青年の日常に深い哲学があるけれど拒まれる感じは全くなかった。人には色々な才能があるものだとつくづく。2021/10/06

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