講談社学術文庫
鉄炮伝来―兵器が語る近世の誕生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921732
  • NDC分類 559.1
  • Cコード C0121

出版社内容情報

新たな兵器は、いかに伝わり、普及したのか。「種子島に漂着したポルトガル人が伝えた」という常識を覆し、武器から戦国史を見直す。新たな兵器は、いかに伝わり、普及したのか。「種子島に漂着したポルトガル人が伝えた」という常識を覆し、武器から戦国史を見直す。

1 鉄炮伝来の実像 〈新兵器渡来の謎〉
2 西南戦国大名の新兵器受容 〈国内への伝播〉
3 東国の戦国大名と鉄炮 〈東への波及〉
4 統一政権の成立と鉄炮の定着 〈小銃から大砲へ〉
5 海を渡った火縄銃 〈アジアへの伝播〉
6 徳川政権誕生と火砲 〈動乱から平和へ〉
7 砲術の成立 〈火薬製造法から秘伝書へ〉
8 日本鉄炮研究小史 〈立ちおくれた体系化〉


宇田川 武久[ウダガワ タケヒサ]
著・文・その他

内容説明

一五四三年、種子島に漂着したポルトガル人が鉄炮をもたらした―。この通説を文献と実物資料から検証し、歴史の流れを加速した新兵器の伝来と普及の真実を解明。戦国大名の贈答品として重宝された鉄炮は、いかに主要武器の地位を得たか。さらに朝鮮出兵によるアジアへの伝播、砲術武芸の成立まで、なおざりにされてきた「武器の歴史」に光をあてる。

目次

1 鉄炮伝来の実像―新兵器渡来の謎
2 西南戦国大名の新兵器受容―国内への伝播
3 東国の戦国大名と鉄炮―東国への波及
4 統一政権の成立と鉄炮の定着―小銃から大砲へ
5 海を渡った火縄銃―朝鮮王朝への伝播
6 徳川政権の誕生と火砲―動乱から平和へ
7 砲術武芸の成立―火薬製造法から秘伝書へ
8 日本鉄炮研究小史―立ちおくれた体系化

著者等紹介

宇田川武久[ウダガワタケヒサ]
1943年東京都生まれ。國學院大学大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館教授を経て、同名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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姉勤

24
鉄砲でなくて、鉄炮。通説の種子島伝来の火縄銃が、すでにヨーロッパの形と異なり、アジア流にカスタマイズされていたことよりはじまり、倭寇によりそれ以前から日本に伝わっていた。鉄炮の新戦術として織田信長がフィーチャーされているが、島津、毛利など西国より浸透し、小規模ながら各自で工廠ももっていた。合戦の局面を左右するようになると、ガンナーや技術者が重用され、やがて鉄炮の技術は大型化、強化し、攻城兵器として発展。天下泰平となった江戸期には極めて縮小したが武芸として生き残った。古文書の引用が少し疲れるも非常に面白い。2016/12/23

シャル

6
未知の兵器であった鉄砲が、いかにして日本という国に伝わり、浸透していったのかが述べられた一冊。その新兵器がどのようにして日本の戦国大名に広まり、彼らが鉄砲確保に躍起になったのか、その中でも信長が早いうちから鉄砲に目をつけていたのか、そしてそれによっていかに戦争が変わったのかなどが解説されている。だが、やはり印象的なのは、鉄砲伝来が実はポルトガル人ではなかったという説についてだろう。資料の信用性や本文中で紹介比較されている様々な学説も含めて、一般的な常識とされている説との大きな隔たりを感じずにはいられない。2013/05/16

akiakki

4
国友鉄砲ミュージアムを見学する前に再読。日本に鉄砲が伝わった時期に欧州ではホイールロック式が既に考案されていてマッチロック式は既に古かった。元和偃武以降、国友鉄砲は装飾に凝りだしたそうですが発射機構の改良に目は向かなかったのかな。2022/05/02

韓信

2
中公新書で読了。日本での鉄炮の受容と伝播について、文献史料と現存する実物から解き明かす。日本の火縄銃がヨーロッパ製ではなく東南アジア製と類似していることから、ポルトガル人ではなく倭寇からの伝来と推測し、島津、毛利、武田、北条各氏への鉄炮の伝播状況と、鉄炮や火薬、鉄炮放ちがいかに重要視され、その確保に戦国大名がいかに苦心していたかを実証している。朝鮮出兵により、降倭を通じて朝鮮半島へ鉄炮が伝播していく様子を朝鮮側史料で描き出している点や、大友宗麟が畿内との外交交渉に鉄炮を利用していた話が興味深い。2014/08/24

akiakki

1
種子島に伝わった鉄砲は当時のヨーロッパ製の機構より明らかに東南アジア製に似ていること、武田家は長篠合戦より前に鉄砲を配備していたが数が揃えられなかったこと、など通説は大分単純化されていたことを知りました。2021/09/08

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