内容説明
ビューラー、マニキュア、ハンカチ、スリッパ、アルバムなど、女の日常生活をいろどるこまこま、ちまちました愛すべきモノ。たいした金額ではないけれど、欲しい、こだわる、いとおしい。それは、いずれゴミになるかもしれないモノなのだけど…。なぜ欲しくなってしまうのか(女だから)、なぜこだわるのか(女だから)、モノに潜む女の心理を(著者自身を含めて)キビシク鋭く解析するエッセイ、絶好調。
目次
1 肉体を彩る「物」(ズボン;ビューラー ほか)
2 袋にひそむ「物」(袋物;ハンカチ ほか)
3 お城の中の「物」(ゴム手袋;鏡台 ほか)
4 悦楽のための「物」(アルバム;ドライヤー ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
76
友人の中には「もう物欲なんて枯れたわ」なんて猛者もいますが、大抵の女性は物欲と一生付き合っていくのでは?私自身は、イッコ80万円もするブランド物のバッグには興味ないけど、実用的なバッグ(コーチLOVE、せいぜいプラダやヴィトン)や普段履きのブーツだとか、これ以上増やしてどうするの?と言うくらい持ってるし、まだまだもっと欲しい。積読本なんかも物欲の一環ですよね。実は作品の中で一番共感したのは「ゴム手袋」。ゴム手袋なしでは一切の家事ができない私、家中あちこちにゴム手袋、予備もどっさり常備してます(笑) 2015/02/15
ジュンコ
7
モノ欲しい女、それは私。持たない生活に憧れてはいるのですが…。2016/01/03
cithara
6
一昔前の本だが共感できるところが沢山あった。『ピアス』→私もピアスの穴を開けたことがある。さすがに「ピアスしてない人はおしゃれじゃない人なのよッ!」と思ったことはないが、開けてない人に対し多少の優越感を持っていたような気がする。『絵はがき』を読んで彼女とまた一つ趣味を共有していることを知り嬉しくなった。最近は観光地でも絵葉書を見かけることが少なくなりさびしい限りである。やはりメールの時代だからだろうか?『携帯電話』→今や携帯電話を持っていない人を探す方が難しい。酒井さんはどう思っているのだろうか? 2013/12/01
しろ
6
☆6 自意識が強くて皮肉で的確なエッセイ。著者がモノや行為に対しての執着について語ってた。基本的には「自分と違う価値観って変」って感じだから(表面上では「私って変なの」と語るが自意識が見え隠れ)、納得したり、それは了見が狭いだろと思ったりする。まあ、こんな著者がいるならもう少し自分を信じてもいいかな、と思えた。他人があまりにもステレオタイプな捉え方をされていたけど、エッセイだから別にいいし、読みやすかったからオーケー。2012/03/21
Kaholly
5
身の回りにある小物や家具のついて、女性ならではの視点で大切に感じるものや、こだわりのあるものなんかが一つ一つ取り上げられている。酒井さんのさばさば感が心地いい。個人的には、リボン、スリッパ、ベッドの見解が好き。97年に出版された本なので、価値や用途の変わったモノがいくつかあるのも面白い。2015/03/14