出版社内容情報
人気作家が描く少女たちの物語、第2弾!
三浦しをん、島本理生、関口尚、中田永一、橋本紡、今野緒雪。人気作家たちが描く、みずみずしく、彩りゆたかな少女たちの物語。集英社文庫創刊35周年記念の文庫オリジナル作品。
内容説明
いつか、君とまた向かい合える日がきたら、伝えたい言葉が私にはある。大事な人を守ろうと、強くなる努力を一途に重ねていた君。クラスで孤立した私を、不安と戦いながら救ってくれた君。風のように軽やかに、世界の果てを目指していた君―。初恋、憧れ、信じる心…かけがえのない想いを抱える「少女たち」の物語を、人気作家６人がこの一冊のために執筆。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや＠灯れ松明の火
127
いつか、君にまた会えたら、最上級の笑顔で応えたい。鏡に映る自分が大嫌いだった頃、目で追いかけながら見つめ返されるのが怖くて、自分じゃない他の誰かになりたくて、なれなくて。元気を出してと瞬く光の暗号、信じていると励ます十円玉の恩義。ほしかった言葉をくれた私だけのヒーローは、汚い格好でとびきりかっこよかった。寒さにめげず咲いた薔薇や、世界の果てを目指した風のように。あの日、泣きそうだったのは君も同じだったね。私は私で、どうしたって君にはなれないけど、もらって嬉しかったあの気持ちを、いつかきっと君へと返すよ。 2013/05/31
扉のこちら側
112
初読。宗像くんと万年筆事件がよかったが、ﾀｲﾄﾙはもう少しこだわってもよかったと思う。2012/09/23
nyanco
92
しをんさんが描くちょっとイタイ少女の気持ち、校舎の窓から見えたSOSを送っていた不思議な老女の存在も、とてもしをんさんらしく良かった。理生さん、姉が自殺した真相を自分だけが知っている…という息苦しさ、姉を失った後、過干渉になった母の様子など、とても良かった。短編ながら理生さんの良いところが十二分に発揮されている作品でした。中田永一さん、う～ん、巧い！ちょっとミステリータッチになっているところも、宗像くんの変わったところもとてもよく表現されていた。美談に終わらせないところも流石。続→2013/01/10
ハミング♪♪@LIVE ON LIVE
92
どれもよかった！読んだあとに、心がジーンとなったり、ポッとなったり、ギュッとなったり・・・温かいような、優しいような、うれしいような、切ないような、そんな色んな気持ちが混じり合って、心の中にじんわりと広がっていくような感じがした。三浦しをん氏の「てっぺん信号」は、展開が読めるけれど、「げんきだすか」でクスッとなった。島本理生氏の「きよしこの夜」は、思春期特有の、揺れ動く心を、ありのままに表現していて、結構ジーンときた。関口尚氏の「カウンター・テコンダー」は、最後に輝く汗と笑顔が見える爽快な話。2012/12/09
ひめありす＠灯れ松明の火
79
いつか、君へ伝えたい事があるの。温かく穏やかに、時には甘い欲望を閃かせながら見つめる眼差し。武骨に不器用に、優しく触れた大きな掌。緊張に震えて、だけど最後まで頑張り通した低い声。薄い背中、意外な特技。格好つけで意地っ張りで、だけど女心なんかちっともわからないお子様だから、早熟なオンナノコのアタシは先に行くの。転んで泣いたって、振り向いてなんてあげない。だって、知ってるもの。肩も背中も掌も声も、あっという間に逞しくなってアタシを簡単に追い抜いていってしまうコト。そしたら言うわね。あなたが好き、大好きよ。って2012/08/18
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