出版社内容情報
光源氏主従が繰り広げる恋と笑いの大冒険
恋のドキドキがないとオジン化するという光源氏と人生のキャリアたっぷりのヒゲの伴男。おお忙しの主従コンビが平安中期の京の都でくりひろげるユーモア冒険譚。(解説/中島らも・桂米團治)
内容説明
貴公子として名高いウチの大将こと光源氏。恋のドキドキとスリルを味あわぬとオジンになってしまうとばかり。以前に増してマメマメしい。今宵も、新しい恋を求め、ご婦人がたの間を飛び歩く。猛々しい貞女。男嫌いの姫君。色気より酒気の女房。りりしい武者姿の女盗賊…。お供は、人生キャリアたっぷりのヒゲの伴男。おお忙しの主従コンビが京の都でくりひろげる恋と笑いの大冒険。面白源氏物語。
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年3月27日大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。56年「虹」で大阪市民文芸賞。64年「感傷旅行」で第50回芥川賞、『花衣ぬぐやまつわる…』で女流文学賞、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞する。2008年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
94
面白かったです。恋と笑いが止まらなかったです。庶民で中年のヒゲの伴男視点で描かれているので、光源氏を客観的に見ることができました。恋をしていないとただのオジンになってしまう光源氏がたまらなくおかしい。主従コンビで織り成すよしなし事がユーモアたっぷりで描かれており、ちょっとした日常の冒険のような感じです。源氏物語とは全く別の世界が繰り広げられており、『源氏物語』からこのような物語を生み出すのが凄いと思いました。2016/08/06
kagetrasama-aoi(葵・橘)
38
「異本 源氏物語」と銘打っているだけに、ほぼ田辺氏の創作です。光源氏の名前と平安時代中期の設定くらいでしょうか、共通するのは。語り手はお馴染みのヒゲの伴男です。七編に登場するそれぞれの女性が皆逞しくて、光源氏がなかなか色男ぶりを発揮出来ないのが凄く楽しかったです(*^^*)。紫式部の描かれ方も、田辺氏の女流作家に対する思いが滲み出ているように感じました。2021/10/25
しゅてふぁん
30
前の2巻は『源氏物語』を意識したものだったけれど、今回は全く関係なくて光源氏と従者であるヒゲの伴男を中心とした話だった。女の尻を追っかけては騒動に巻き込まれる、その上、紫式部まで登場してきて、面白かった~。2016/11/25
coco夏ko10角
20
今回は『私本・源氏物語』のときのようにヒゲの伴男視点で物語が進んでいく。光源氏の日常や身の回りのことがメイン。色んなお姫様が出てきた前2冊の方が面白かった。2015/09/21
lila*
4
「異本」ということで、もうほぼ「源氏物語」ではないのだけど、こっちの大将と伴男もだいぶお馴染みになってきて楽しく読了。ワガママでピュアなウチの大将の恋物語は、失敗続きで情けなくていとおしい。平安時代のなよなよと時代に流され生きていくお姫様ばかりでなく、しっかりと自分達の時代を生きている女性たちの描かれ方も好ましい。2016/10/08