• ポイントキャンペーン

集英社文庫
牛込御門余時

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463392
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

牛込御門近くに建つ吉田御殿。ここで暮らす徳川秀忠の娘・千姫が、夜な夜な男をもてあそび、殺害するとの噂がたつが、その真相は…(「千姫と乳酪」)。家綱公の旗本、大久保彦六。雨中休業中の市松座を、直参の沽券で開かせたのはいいが…(「九枚の皿」)。茶屋の娘と孤老の武士のはかない交流、歌舞伎役者に入れ込む旗本の奥方など、牛込界隈を舞台にさまざまな人間模様を描く八編を収録。

著者等紹介

竹田真砂子[タケダマサコ]
東京都牛込神楽坂生まれ。法政大学卒業。1982年「十六夜に」で第61回オール讀物新人賞、2003年『白春』で第9回中山義秀文学賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

32
図書館で見かけ、タイトルから地元が舞台だと興味を惹かれて手にした。作者もまさに神楽坂産まれで法政大学と、ずっと地元にいた人らしい。1996年の本が2008年に文庫化。児玉清の解説。八篇の短編集。どれも切れ味がよく時にシニカル、オチまでしっかり作られている。文章も粋で、特に狂歌師を描いた「やせ男」の地口には惚れ惚れするほど。人物が生き生きとしていて、物語はどれも心地よい終わりを迎える。我ながらべた褒めだな(笑)2023/03/22

baba

30
またも村上豊氏の装画に魅かれて再読。牛込御門界隈を題材にした短編集。江戸初期から後半までの知られていない話にふぅーんと納得して読了。どの章も静かに温かく、余韻のある話しで今回は「おすが」が良かった。その時々で感じ方が違うことに新鮮。児玉清さんの後書きも懐かしい。2018/04/20

baba

29
村上豊さんの装画に魅かれて手にする、牛込界隈を舞台にした短編集。時代は江戸前期から後期まで、大きな事件はないが、日々の暮らしの中で本人にとっては大切な事を取り扱っている。中でもこの時代の女性の価値感に立ち向かった「奥方行状記」はなかなか楽しく結末の付け方もほのぼのして良かった。2016/09/13

ソババッケ

13
8つの短編集。牛込御門界隈を舞台とした武家の物語。「千姫と乳酪(バター)」とラジオ文芸館で紹介された「おすが」が好み。「千姫」は大阪城で秀吉が作らせていた乳酪を江戸の屋敷でも作らせた。異国との係わりを憚った幕府は千姫の吉田御殿によからぬ噂をまく。通りすがりの若衆を引き込み相手をさせてなぶり殺しにし、死骸は井戸にと。「おすが」は陰を持つ茶屋の女のために、つきまとう男を密かに葬ることにした男の話。50歳を過ぎ、妻を亡くした武士が江戸詰めとなったが唯一の楽しみは茶屋に通っておすがを眺めていることだった。★3.32017/01/25

佐島楓

11
竹田先生は御縁があって拙作「ガラスの教室」の原型となる小説を読んでいただいた。その前に「白春」を拝読し、初めての時代物で泣くという貴重な経験をさせていただいたものだった。竹田先生の時代物の登場人物には、皆確固たる存在感があり、同じ空気をはるか昔共有していたのかもしれないと思わせる強いインパクトがある。大先輩とお呼びするのもおこがましいが、その節は大変お世話になりました。2011/11/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/435423
  • ご注意事項