内容説明
屋上に神社があるテナントビルで受付嬢として働く苑子。屋上神社の神主の幹人と交際中だ。幹人の亡き妻との息子陽人から「おじいちゃんが入院した」と聞いて心配するが、幹人からは何も教えてもらえず不安な気持ちに。いっぽう、ビルに入居する歯科医院には、このところ謎めいた差出人不明の手紙が定期的に届いていて…。日常の小さな謎が人の縁を繋ぐお仕事ミステリー。シリーズ完結!日々の暮らしの中で、少しずつ深まったり、離れたり。人と人との「縁」を描く、心温まる連作ミステリー。
著者等紹介
岡篠名桜[オカシノナオ]
大阪府出身。「空ノ巣」で2005年度ノベル大賞・読者大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dr2006
47
雑居ビル管理会社の受付主人公苑子と、その屋上にある神社の神主幹人とのちょっと不器用な大人の恋を描くお仕事小説。しみじみと「縁」という言葉の確かさと深さを感じる秀作。縁とは出遭い、結び、契り、キヅナ、一方で禁忌、すれ違い、齟齬、疎遠と破綻といった変化の切り口だ。きっかけとなる手段や環境は違っても、人と人との間には目に見えない縁が存在する。この人とは縁があったんだ、否、無かったんだと思うことが、人生の中でどれくらいあるだろうか。幹人と苑子のこれからが気になるシリーズの完結だが、優しい余韻が清らかで心地良い。2020/03/12
えりこんぐ
43
シリーズ最終回。恋人同士になった苑子と幹人。思ったよりも早く結ばれたのは、陽人くんと、意外に面白いお母さんのおかげかも? 「泊まってきたら?」には笑えたw シリーズ通してほのぼの楽しかった。【積読28】2024/05/07
ぶんこ
30
シリーズ最終回で少し淋しい。受付の苑子と屋上神社の神主幹人の屋上ランチデート?からついに結婚。幹人の亡くなった前の妻も同じビルの元受付。屋上の賀上神社は縁結びの神様というのは、こんなこともあるからでしょうか。それにしてもビル管理会社が、ここまでやるの?と思うほどの仕事内容に驚きました。これは会社というよりは真辺部長だからかな。陽人君の可愛さ、無邪気さには苑子さんでなくても骨抜きにされそう。ビル内の、賀上神社で結婚式を挙げたカップルも数組紹介されたものの、意外と別れお迎えたカップルが多いのが印象的でした。2024/03/30
ジュール リブレ
30
最終巻はあっさりでした。ピルの上の神社からつながる人の心。暖かくてホッとします。2019/04/22
よっち
30
交際中の幹人の息子陽人からおじいちゃんの入院をと聞いて心配するが、幹人からは何も教えてもらえず不安な気持ちになる苑子。一方ビルに入居する歯科医院に謎めいた差出人不明の手紙が定期的に届く第三弾。歯科医院に届く謎の手紙の真相や空き室にいた男女の真相、そしてビルのオーナーを巡る縁の物語。それぞれのエピソードに縁に対する繊細で複雑な想いがあって、幹人と陽人に寄り添いたいと思うからこそ不安になる苑子に、幹人がきちんと真相を伝え自分なりのやり方で応えてみせたこの物語の結末は穏やかでとても素敵なものだったと思いました。2019/03/22
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