集英社文庫<br> マラス―暴力に支配される少年たち

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集英社文庫
マラス―暴力に支配される少年たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 355p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087458091
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報



工藤 律子[クドウリツコ]
著・文・その他

内容説明

中米にはびこる凶悪なギャング団「マラス」。主力メンバーは、全身にタトゥーを入れ、殺人や恐喝、麻薬取引などの犯罪に手を染めている。しかし、そこに関わる者の多くが、実はごく普通の青年だ。悪行の数々は、極貧のもと、親に守られず居場所を失い、追い詰められるなかでみつけた“生きる術”にすぎない。残虐性ばかりが強調されてきた彼らの真の姿に迫る第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。

目次

第1章 マラスの輪郭
第2章 カリスマ
第3章 マラスという敵
第4章 冒険少年
第5章 マラスの悲しみ
第6章 変革

著者等紹介

工藤律子[クドウリツコ]
1963年大阪生まれ。ジャーナリスト。東京外国語大学大学院地域研究研究科修士課程在籍中、メキシコの貧困層の生活改善運動を研究する傍ら、フリーのジャーナリストとして取材活動を始める。2016年、『マラス―暴力に支配される少年たち』で第14回開高健ノンフィクション賞を受賞。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

リキヨシオ

15
中南米で問題になっている若者達のギャング集団「マラス」による被害の実態は…まるで「北〇の拳」の様な暴力的な世界を彷彿とさせる。しかし起きている事は漫画ではなく現実の出来事で肝心の政府は独裁的で周囲はメキシコやコロンビアの巨大麻薬カルテルに囲まれ…究極の貧困に苦しんだ若者は「マラスに入って悪の道」か「海外に不法移民として逃げるか」を迫られる。ニュースを賑わす「移民キャラバン問題」」の背景を理解するには最適な作品。同時に本作品を読んだからこそ移民排斥を訴える米大統領の発言に大きな矛盾とやるせなさを感じる。2018/12/30

0607xxx

14
ギャング集団「マラス」から見えてくる中米の少年たちの現実。小さな頃から常に死と隣合わせな少年たちの世界は、作り物の世界に感じてしまうが、周りや国の環境によって無意識のうちに作られていく様に思え、少し怖くもあった。世界の問題の一つを知る事ができ、勉強になりました。2019/06/22

lily

12
ホンジュラスを中心とした中米の国々に蔓延るギャング団のマラス。政府の厳罰化と壊滅策に対し反動化して、神職に就く以外の脱会には死を伴う凶悪な集団に変貌したが、加入する少年は後を絶たない。背景には圧倒的な物理的・社会的貧困がある。『親分はイエス様』を地で行く神父アンジェロは「マラスの少年に必要なのは安心できる居場所と信頼できる大人」と話す。これを提供する場所が教会とマラスだけならば、ギャング団が成長するのは必然。マラスの少年の寂しさは、日本にも共通する部分があると感じた。開高健ノンフィクション賞も納得の名著。2021/09/25

ステビア

11
中米のギャング、マラスを脱退した人をメインに描くルポ。信仰による更生が多いのが印象的。2018/12/03

椿 釦

8
中南米の社会問題化されているギャング、マラスについてのルポルタージュ。元マラスの少年や青年の生い立ちや経験が書いてある。映画の中の出来事?というようなエピソードばかりなのだが、決して遠い話に聞こえない。特別な環境で生まれ育った人の特殊な話におさめようとせず、全ての子供たちにあり得る話という視点で語られている。視点(結論)ありきで書かれているわけでもない。日本の社会に対する問題提起にもなっていて、考えさせられる。日本はすぐ自己責任を持ち出し逃げ場をなくす、という一文には共感しかない。2018/12/04

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