出版社内容情報
赤川 次郎[アカガワ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
介護施設に入所中の父を支え懸命に働く亜紀と、権力者の父の元で安穏と暮らす健司。二人の偶然の出会いと、亜紀の父浩介が偶然テレビに映った「死んだはずの男」湯浅を見たことから、運命は動き始める。十数年前の湯浅の死に父の重治が関わっていたと知った健司は、亜紀と事件の真相を追うが、二人の前に公権力の壁が立ち塞がり…。巨匠が描く渾身の社会派サスペンス。吉川英治文学賞受賞作。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年福岡県生まれ。桐朋高等学校卒業。76年、サラリーマン生活のなかで執筆した「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞、ミステリー界に新風を吹き込む。以後、幅広い分野の小説を発表、ベストセラー膨大。2005年度日本ミステリー文学大賞受賞。16年『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
101
ナツイチ2019 近未来ディストピア…なのだけど妙にアナログアナログした監視社会なので素人目からしてもニセモノくさい近未来世界…。ミステリー部分が割としっかりしている分ニセモノくささがより際立っていました…。買い物するのにアマゾンでなくデパートというのもまたニセモノくさい近未来…。2019/09/12
てつ
54
30年ぶりくらいに赤川作品。吉川賞をとったという社会派作品らしいので、期待して読んだのだけれど、なんだかなぁ、という感じ。前とあまり変わっておらず、ミステリー度が高かった初期の作品の方が好きだ。2018/11/18
Nobu A
35
図書館で予約中の本以外に特段読みたいのがなく、書架を眺めていたら目に留まった本書。中高時代に数冊読了の記憶がある赤川次郎。当時かなり流行っていた。それに乗じて手に取った次第。まさか未だに執筆しているとは露知らず(失礼!)。15年刊行。読み始めて思ったこと。こんな筆致だったっけ?もっと読み易かったような。学生の頃より読解力は上がっているはず。そんな疑問を感じながらあまり集中出来ず読み進めた。会話がやたら多い割に物語展開の説明が少なく、今一のめり込めなかった。タイトルの意味もよく分からず、後半流し読み読了。2024/07/24
Cinejazz
30
゙東京零年゙というタイトルが目を引き、吉川英治文学賞受賞ということで、<赤川次郎>さん初読み作品。 国家の敵と見做した犯人をでっち上げ、冤罪や死刑廃止を棚上げし、闇から闇へと葬ってしまう、恐るべき国家権力(検察)に、生死をかけて立ち向かう青春群像劇。 読み易さ抜群、スト-リ-展開に憤慨しながら、600ページ一気読みの、近未来社会派サスペンス+ハードボイルド・ミステリ-。2023/12/05
Porco
20
赤川作品は初めて読んだので、他の作品がどうなのかわかりませんが、1/3ほど読むまでは「人物造形が類型的だし、都合の良い展開もあって、どうかな」と思っていました。吉川英治文学賞受賞作なのに、と。しかし、それはミステリだと思い込んでいたからで、実は警察権力が非常に強力な管理社会を描いた小説でした。その歪みが露呈する過程を描いています。2021/01/09