出版社内容情報
存続の危機にさらされる児童養護施設・魴ぼう舎(ほうぼうしゃ
)を守るため、仙台から陽介、青森から卓也が駆けつける。けれどおばさんは……そして卓也の春高バレー進出は!? 人気シリーズついに完結!(解説/陣野俊史)
佐川 光晴[サガワミツハル]
著・文・その他
内容説明
たいへんだ!おれたちの帰る場所がなくなっちまう!東北を襲った大震災から一年。札幌の児童養護施設・魴〓舎(ほうぼうしゃ)の耐震基準が問題となり、存続の危機に!二千万円を工面して補強工事をするか、閉鎖か、を迫られる中、おばさんまで「もうやめたい」と言い出し!?今は札幌を離れた陽介と卓也は、故郷を守るために必死の思いで解決策を探る。人気シリーズ『おれのおばさん』第一部、感動の完結編。
著者等紹介
佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞受賞。02年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。11年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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涼
18
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/06/post-1bc6ef.html2019/06/08
タルシル📖ヨムノスキー
16
震災後、行政の基準が変わり、建物の耐震強度云々で、〝魴鮄舎〟も存続の危機となる。一旦は継続を諦める恵子おばさんであったが、陽介のアイディアと熱意、たくさんの人たちの協力で、なんとかなりそうな予感。…ここで物語が終わる。完結編なのに、解決してない問題が山積み!!「故郷は自然にできるものじゃない、ましてお金で買えるものでもない。そこで暮らしている人たちの日々の努力があるから故郷はかろうじて故郷たりえているんだと私は思う。」(p.182)という考えから、知り合いからの多額の寄付を断る恵子おばさんがカッコいい!!2019/10/24
びっぐすとん
11
何となく読み始めた『おれのおばさん』シリーズも第一部完。ちょっと上手くいき過ぎ、キレイごと過ぎって思わないでもないけど、小説の話くらいは上出来でもいい。家族揃って暮らせることが当たり前じゃない子供達もいるんだと心に刻めればと思う。ニュースでも特集しているが、大規模児童施設で暮らすよりはもっと家庭的な雰囲気の方がいいと思う。勉強や習い事だって機会を与えてあげたい。子供を育てるのにお金が掛かりすぎる今の日本の現実では里子制度が普及しないのも無理はない。子供は国の宝という割に制度がお粗末で、この国の未来は不安。2019/03/09
Y.yamabuki
9
養護施設 魴ぼう舎閉鎖の危機を救うため、そこの出身の陽介、卓也達高校生が活躍するお話。今は、施設を離れ各々の道をしっかりと進んでいる彼ら。協力的な周りの人々。ちょっと理想的過ぎるかなぁとも思うけれど、読んでいて前向きになれる気持ちのよい作品。知らずにシリーズ4作目から読んでしまった。きっと前作までに彼等の葛藤と成長が描かれているのでしょう。是非読まなければ。2018/10/09
菜食主義@目覚めの刻!
7
「おれのおばさん」シリーズの第一部完結編?まだ続くんだ? 「おれのおばさん」を最初に読んだとき、なんとも新鮮で爽やかなお話だなぁって思ったんですけど、さすがに4作目ともなると、ちょっと・・・。あまりにも登場人物たちが良い人過ぎて、なんか浮世離れした感があるもんだから、それを無理やり現実化しようとしようとして、やたら説明調になってるような。個人的にはそんな感じがしました。でも、このお話の世界観は嫌いじゃないんですけどね。2020/06/02