出版社内容情報
今夏、100回記念大会が開催される甲子園。本作では、毎年多くの東京大学合格者を輩出する公立強豪校6校に絞り、丹念に取材。強豪私立校に負けない、知られざる指導・練習法に迫る。(解説/田原総一朗)
松永 多佳倫[マツナガタカリン]
著・文・その他
内容説明
僕たちは、野球だって、勉強だって負けたくない。松山東、済々黌、彦根東、時習館、青森、佐賀西…東京大学合格者を毎年輩出している公立の進学校かつ野球強豪校の6校。私立校が圧倒する高校野球界で設備は不足、生徒も私立のように集められないのが現状だ。そんな中で、強豪私立に挑み続けてきた知られざる指導法や練習法とは?“文武両道”の秘密に迫る異色の野球ノンフィクション。
目次
第1限 愛媛県立松山東高等学校―文経武緯・がんばっていきましょい
第2限 熊本県立済々黌高等学校―正倫理明大義・重廉恥振元氣・磨知識進文明
第3限 滋賀県立彦根東高等学校―求めよ普く、究めよ深く・赤鬼魂
第4限 愛知県立時習館高等学校―自ら考え、自ら成す・学則不固
第5限 青森県立青森高等学校―自律自啓・誠実勤勉・和協責任
第6限 佐賀県立佐賀西高等学校―質実剛健・鍛身養志
第7限 文庫版あとがき
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドリル
27
本来なら今頃はセンバツ高校野球で盛り上がっている時期である。センバツを観戦しながら試合の間に読もうと思っていた一冊。近年少なくなって来た文武両道の学校を紹介している。松山東は21世紀枠で出場した時に生で観たし、彦根東の花巻東戦のノーノー未遂も現地観戦だった。何となくゆかりのある学校というイメージがある。いずれも公立高であり、伝統のある高校である。今後、こういう学校が甲子園を制することは難しいと思うが、多くの公立進学校と共に切磋琢磨して甲子園を目指して欲しいし、甲子園で暴れて欲しいと思う。(★★★)2020/03/24
金吾
25
文武両道の学校の話です。勉強という点で秀でているということは元々集中力や要領がいい高校生が多いと思いますので、意識付けをすれば伸びるのだろうなと思いました。また公立高のみをピックアップしているのは、高校野球好きな人らしいとも感じました。2023/07/20
みらこー
18
強豪私立ひしめく我が福岡県も文武両道県立校が強豪私立を倒すニュースは何故か嬉しいが、強豪私立が悪役のような違和感。全国の県立の偏差値70高校ながら毎年甲子園を狙える6校。九州からは済々黌(熊本)と佐賀西(全国制覇した北ではない)。どこも毎年東大京大合格、スポーツ推薦入学なし、練習時間短い。県外から来てる強豪私立の生徒を「僕らよりも覚悟して野球をしている」とリスペクトする姿勢は素晴らしい。時習館(愛知)は野球部からも毎年東大!将来人の上に立つ子どもたちへ、弱い人たちを切り捨てるな!の済々黌部長の言葉に感動。2021/08/08
taku
16
本の内容と関係ないが、甲子園というワードで思い浮かぶものに、なとぅ、あてぇなどの古賀シュウネタは今も割り込んでくる。県立進学校で甲子園を目指し、実際出場している野球部の取材。文武両道を実現させている球児たちや、指導者はどんな人たちで、どんな環境なのか。高校野球好きはもちろんだけど、野球論にとどまらない教育や人生における気づきもあって、タイトルからイメージするより幅広い層が読める。最後のシメ(解説)は、(たはら)とういちろうたん。2020/02/03
ジロリン
11
タイトル買い。取材対象は・愛媛県立 松山東・熊本県立 済済黌・滋賀県立 彦根東・愛知県立 時習館・青森県立 青森・佐賀県立 佐賀西。オビの「野球も、勉強も、絶対に負けない!」は、ちょっと言い過ぎかな。どの高校も共通してるのは「勉強に時間を割かれることを甲子園を目指さない言い訳にしない」…意識高過ぎやないか〜いw しかし、そんな彼らだからこそ逆に〈高校野球〉に真摯に向き合う若者の姿が見えてくる。思ったより爽快な読後感。解説の田原総一郎が何か面白いこと書いてるかと期待したら、単に内容の要約でズッコケたw2019/09/16