出版社内容情報
万里は17歳の娘・唯香と二人で仲良く暮らしている。年下の恋人・凌駕とも順調だったが、唯香と凌駕の出会いが万里の心を濁らせる……。一人の男と母親、娘との三角関係を描く長編小説。(解説/吉田伸子)
永井 するみ[ナガイスルミ]
著・文・その他
内容説明
“女”になるあなたが許せない。カフェの経営者・市ノ瀬万里は42歳。10年前に夫を亡くし、17歳の一人娘・唯香と暮らしている。年下の新進映画監督の凌駕とは密かに恋愛関係にあった。一方で、凌駕の新作に主演女優として起用された唯香も次第に彼に惹かれていく。女として美しくなる娘に嫉妬する万里。いつまでも女であろうとする母に苛立つ唯香。一人の男を巡る母親と娘の三角関係の終幕とは…?
著者等紹介
永井するみ[ナガイスルミ]
1961年東京都生まれ。東京藝術大学音楽学部中退、北海道大学農学部農業生物学科卒業。96年「マリーゴールド」で第3回九州さが大衆文学賞、「隣人」で第18回小説推理新人賞、『枯れ蔵』で第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞。2010年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
293
万里の焦りは同じ女(しかも若くない)だもの、よくわかる。年下の彼との距離感も、痛いほどわかる。しかし徹頭徹尾、イヤな女でしたなぁ。おとなしげに見えて、実は他人を支配したがる、周囲を丸め込む、こういうことをスルッとやっちゃう女いるのよ。本人はカフェの女性経営者、恋人はひと回り以上年下の売れっ子映画監督、彼女を崇拝する既婚の彼は交響楽団の常任指揮者…という鼻白む設定(笑)ながらも、読みやすさにつられて読了。2018/04/28
アッシュ姉
82
母親の恋人を好きになってしまう娘。娘の若さを妬む母、母親の女の部分を蔑む娘。母娘が女であることを剥き出しに意識し合う様子が何ともムズムズする。理解に苦しむ。シュシュの件は許せん。ありえない。自分本位な親子に怒りを覚えつつ、するする読まされたのは流石するみさん。2021/04/08
カブ
42
10年前に夫を亡くしたカフェ経営者、万理42歳は、17歳の娘唯香と二人暮し。未亡人となっても年下の恋人がいたり、相談に乗ってくれる夫の友人など、女所帯でもそれなりに優雅に暮らしている感じ。娘に女を感じ、焦って嫉妬する万理がときには滑稽でさえある。仕事と恋愛を切り離すことができずに、だんだん嫌な女になっていくのだが、女は幾つになっても女なのだと実感した。2018/05/06
との@恥をかいて気分すっきり。
21
永井するみさんの作品は初めてでした。もうご存命ではないと知り、大変残念な気持ちです。うちの娘も17歳。まだまだ普段は甘ったれなのに、いつの間にか大人になったのかとびっくりするような場面が増え、重ねながら読みました。2018/03/28
KAN
18
久々の永井するみさん。何故か読んでしまう。子離れ、親離れ。いつか来るんだなあ。 楽しめました。2019/08/19
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