出版社内容情報
死者数最大1万3千人、被害総額2兆5千億円と予測される富士山噴火。過去最大の災害危機に真っ向から挑み、さらに父娘の絆の再生を描き出すノンストップ防災エンターテインメント。(解説/鎌田浩毅)
内容説明
元陸上自衛隊の新居見は3年前の南海トラフ大地震で妻と息子を失った。生き残った娘とは絶縁状態だ。ある日、この国が経験したこともないような巨大災害―富士山噴火が近いという情報を旧友の記者から得る。大地が震え、大量の噴石が降り注ぐ中、人々を待ち受ける運命とは。新居見は今度こそ、愛する人を救えるのか!?日本壊滅の危機を、そして父と娘の絆の再生を描く感動の災害エンタメ!
著者等紹介
高嶋哲夫[タカシマテツオ]
1949年岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒業、大学院修士課程修了。日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。79年、原子力学会技術賞を受賞。94年「メルトダウン」で第1回小説現代推理新人賞を受賞。99年、「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書という航海の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
70
2018年181冊め。平成南海トラフ地震からの復興半ばで見舞われる富士山噴火という設定。地震、津波、水害の経験はあるが火山の噴火は未知でありこれほど恐ろしいものかと不安になった。首長の信頼を得て音頭を取っていくデキる主人公というのはエンタメ的キャラ作りでありが、エンタメ小説で終わらせない啓蒙的役割を十分果たせる作品である。2018/06/14
はつばあば
68
これだけ毎日のように世界各国のあっちの山が噴火したとかこっちは地震だ~とかニュースが報じられているのだもの富士山がいつ噴火してもおかしくはない。日本だって温暖化の為に災害のオンパレード。人は物忘れが酷いのか・・軍事力に金をかけるより被災地をなんとかせんかい!。山を壊してマンションを建てているけれど都会も田舎も空き家がいっぱいあるでしょう。地球の泣いている声が聞こえないのか。カジノの誘致?万博の誘致?観光誘致がそんなに必要?一体誰の為に施政者はいるの?。はつが噴火した(^^;2019/01/06
五右衛門
63
読了。相変わらずのっけからドキドキ感満載で読んでいる最中肩に力が入りっぱなしでした。主人公に関してはちょっと出来すぎのヒーローって感じが否めなかったですが富士山の異変、水蒸気噴出、火砕流、噴火、溶岩流出、山体崩壊など地震学者か地質学者かと思うような描写に自分も飲み込まれてしまい途中火山灰のなかにいるような息苦しさを感じながら読んでいました。けれど備えあれば憂いなしとはよく言ったもので何時何が起きるか分からないので準備だけはしておかねばと思いました。他の作品も読んでいきます。2018/11/14
KEI
61
これはリアル過ぎて面白かった。特に「首都感染」を読んだ後なので、この上、巨大地震と噴火が起これば本当に日本はお終いだと思った。そう言えば、東日本大震災の後もいくつかの火山活動は活発になって、御嶽山や箱根山も噴火した。この本では南海トラフ大地震の後に富士山が噴火する。噴火からの様子はスピード感がありドキドキしながら読んでしまった。主人公の元自衛官・新居見がカッコいい!出来過ぎ感もあるし、絶縁状態だった娘との絆が元に戻るのは分かってしまったが、こんな事は経験したくない!コロナ騒ぎの時に読むべきでは無かった。2020/05/06
ちーたん
60
★★★★☆息つく暇なしの緊迫感が終始続くパニック小説であり、警鐘小説。(※東日本大震災で大切な方を亡くされた方にはPTSDを引き起こしかねないのでオススメできません。)物語はプロローグから痛ましく南海トラフ巨大地震の発生から始まります。その3年後が本編の物語。富士山の異変を訴える者と地域住民の対立。非難勧告のタイミングの難しさなどが丁寧に描かれています。主人公があまりにスーパーマン過ぎるので、小説の粋の話ではありますが、災害大国日本に住む以上、災害への危機管理意識を持ち、出来る範囲の対策を取ることが必要。2019/03/11