集英社文庫<br> 別れの挨拶

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集英社文庫
別れの挨拶

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087455601
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

批評、追悼、書評。日本の文化を支えた知の巨人が残した知識の数々がここにある。音楽について文学について芸術について、亡くなる直前まで、著者が語り記した最期の一冊。(解説/川本三郎)




丸谷 才一[マルヤサイイチ]

内容説明

『源氏物語』はイギリスでどのように読まれているのか。芥川が人気作家になった理由とは。書店はどうあるべきか。小説論から芸術、風俗、ファッションの歴史までを軽妙な筆致で描き出す。世界中の人々に支持され続けた文学作品の楽しみ方、読書の快楽がここにある。作家、翻訳家、評論家として半世紀以上に亘って執筆、研究を続けた知の巨人が、その叡智を未来に託した最後のエッセイ集。

目次

1 批評と追悼(英国人はなぜ皇太子を小説に書かないか;十九世紀と文学と遊び心 ほか)
2 王朝和歌を読む(ふじのけぶり;別離歌二首 ほか)
3 日本語、そして男の小説(わたしの「歴史的かなづかひ」;タヒラナリ ほか)
4 書評15篇(三ページの書評欄の二十年;傑作となるべきだつた野心作―ウラジーミル・ナボコフ『賜物』 ほか)
5 最後の挨拶(音楽の歴史をダイナミックにとらへる―梅津時比古さん『フェルメールの楽器』日本記者クラブ賞受賞を祝ふ会での挨拶;新しい問題に挑む知的な人間―瀬戸川猛資さんを偲ぶ会十三回忌での挨拶 ほか)

著者等紹介

丸谷才一[マルヤサイイチ]
小説家。小説集『横しぐれ』の英訳が刊行されたとき、『タイムズ文芸付録』は、「ジョイス研究者によってなされた、ボルヘス、ナボコフと日本文学の伝統との魅力あふれる結婚」と評した。1925年鶴岡市生れ。東大英文科卒業(卒業論文はジョイス)。2012年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風に吹かれて

16
丸谷さんの死後編集されて出版された。評論・エッセイ・文庫解説・書評など、以前刊行された単行本未収録のものを中心に編まれた<文集>。丸谷さんのエッセイは親しい人たちとおしゃべりしているようだ。丸谷さんが日々面白がっていることを洒脱に、そして、読むと楽しいことをひとつ発見したように思わせてくれるように書かれている。私小説に批判的だった人だけに、身辺の些末なことに終始するようなエッセイはない。何冊も刊行された<文集>に一冊でも多く手を伸ばしたくなる。2017/08/06

Ribes triste

13
批評文、追悼文、書評から挨拶文まで、丸谷さんの多岐に渡る活動がまとめられた1冊でした。旧かなづかいながら、名調子で読みやすい文体が好きでした。丸谷さんの交友録に登場する文豪たちのこぼれ話は、読んでいて楽しい。2020/02/20

呼戯人

12
丸谷才一の亡くなった後に出されたエッセイ集。軽妙洒脱な文章のリズム。豊富な話題。快楽としての読書や快楽としての書くことの楽しさがしみじみと伝わってくる。enjoymentとしての文学という美的な感覚が洗練されていて心地よい。一言でいえば、趣味の良さがそこはかとなく漂ってくる。こんな美的感覚、こんな趣味の良さを身に着けることができたらどんなにか楽しいことだろう。私は、哲学のような生硬なものを愛してきたので、とても軽妙洒脱とはいかないのが悔しい。2017/04/14

でんすけ

4
こういう文壇周辺のヨイショ感、トモダチ感はは嫌いだけど、故人を偲ぶにはいい構成。なによりも読みやすく幅ひろい知識に裏打ちされた文章が、心地よい。そういえば「持ち重りする薔薇の花」、丸谷才一小説のなかでは格段に面白く読めたと改めて思った。2017/08/12

しんこい

4
エッセイやら挨拶、解説とかを集めた本。それが文春でなく集英社から出るのがちょっと不思議。読んでる途中で、何か他の本とシンクロしたのですが、何だったか。ともあれ亡くなったのはやはり残念。2017/06/03

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