出版社内容情報
巻き込まれた妹の代役。スタントという仕事。幼いころの母親の思い出と火事の記憶。スタントという職業に出会って、成長し殻を破り乗り越えていく一人の女性の感動の青春小説。(解説/吉田伸子)
美奈川 護[ミナガワマモル]
内容説明
千鶴は冴えない大学二年生。ある日、父から「双子の嗣美が怪我をした」という突然の連絡が。駆けつけた先は、なんと映画の撮影現場だった。そこで美作という女性スタントマンに出会った千鶴は、成り行きでスタント・チームに所属することになる―。幼い頃の火事の記憶、母親との葛藤、姉妹の確執を乗りこえて成長していく、一人の女性の物語。共感と感動と癒しの青春×家族×お仕事小説!
著者等紹介
美奈川護[ミナガワマモル]
1983年千葉県生まれ。2009年『ヴァンダル画廊街の奇跡』で第16回電撃小説大賞“金賞”を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
167
数少ない女性スタントマンの話。危険と鉢合わせの仕事な実入りも少ないし、主役にもなれない。あくまでもスタントマンは影。でも好きならとことん突き詰めて影の役目を極めてほしい。千鶴は家族の問題を、美作(みまさか)は蓄積された怪我によるダメージを、橋爪は、自分の能力の壁を。蒲生は、今の仕事の現状を。それぞれもっと乗り越えて、その先の“影の中の光”となって、もっと輝けと応援したくなる。そして読み終えて思う。自分も仕事では、“影の中の光”、あるいは縁の下の力持ちとなりたいと。2020/06/10
hnzwd
48
お仕事小説が多い作者ですが、、今度はヒーロー!!ヒーローの陰になり、ヒーローをヒーローたらしめるスタントマンを主人公とした本作は、やはり作者らしい爽快さを感じられるものでした。迷ったら楽しそうな方を選ぶ人生には正直憧れます。2017/03/04
紅葉
31
大学生の千鶴がスタントの世界に引き込まれ一人前のスタントウーマンになる成長物語でありお仕事小説であり双子の妹とのあれやこれやの家族のお話しでもあり…と単なるお仕事小説ではなくて凄く面白かったです♪スタントマンって過酷ですね…私は男の子じゃないからヒーローに憧れたりはあまりしなかったけど、憧れる気持ち分かります。美作さん、かっこいい~!千鶴もいつか誰かのヒーローになるんだろうな…解説にあったけど、出来るなら私も続編希望します!2016/08/29
サンダルチア
27
欲張りすぎともいうべきくらいいろんな要素を詰め込んだ特撮お仕事小説。家族の影の部分に踏み込んだ部分もありますが高い文章力で読ませる。著者の他の小説も読んで見たいと思いました。2017/01/23
とも
25
お仕事ものでスタントパーソン。成長あり恋愛なし家族の物語あり。すっきりまとまってて千鶴はじめ登場人物の成長がわかって楽しめました。たくさん見ているはずなのにあんまり馴染みがない職業なので興味深かったです。ひたすら大変そうなイメージだったけど達成感もすごいんだろうなぁ。クマゴーさんのピンク見てみたいです。読後感もすっきりなのだけど母親は徹頭徹尾ダークで家族にちょっとでも光があったらいいなぁと思ってしまいました。2016/09/09