出版社内容情報
この神話はどこからきたのか? 言語習得と年齢の関係についての研究をたどり、問題点をあぶり出す。
内容説明
子どもたちに早くから英語を学ばせようというプレッシャーが強まっている。「早く始めるほど良い」という神話はどこからきたのか。大人になったら手遅れなのか。言語習得と年齢について研究の跡をたどり、問題点をあぶり出す。日本で学ぶ場合、早期開始よりも重要な要素とは何か。誰がどのように教えるのが良いのだろうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RmB
16
早いほど良いのか?早く始めて続けることがができれば良いでしょう。いつ始めるか?とともにいかに続けるかが大切だと思います。2015/10/14
Riopapa
11
日本でも英語教育が低年齢化してきているが、効果については、学校外で学習機会を与えられる家庭とそうでない家庭の格差が広がるだけだろう。韓国のように教員研修を増やしても、教員の負担増に見合った効果が上がるとは考えにくいし、本当に日本人みんながそこまでして英語ができるようになる必要があるかは疑問。本書は、冷静にそうした論点を整理してくれている。2016/06/12
ちいちゃん
8
良書。データによると開始年齢よりも学習時間の方が第二言語習得に関係がありそうだ。母語の基礎がある程度出来上がった上で良質なインプットを行い、動機付けを高めることが重要ではないかという主張。2016/05/03
Riopapa
6
再読だが、数年ぶりだったのと、前回よりも知識量が増えていたので、楽しめて読めた。一番言いたかったのは、やはり英語早期教育における家庭の経済格差なのかな。日本にも経済格差が問題になってきていて、小学校で教えることが増えれば増えるほど、経済格差による学力格差が顕著になるような気がする。2022/03/13
すがの
5
「臨界点」など、言語(英語)学習における様々な「説」を、実証的研究を浚っていくことを通じて、整理する書。「第二言語習得」(移民先の言語など、大量のインプットが保証されている場合)と「外国語習得」(日本における英語学習など、大量のインプット環境がない場合)とを区別して語ることの重要性を再認識。「外国語習得」にはそこまで早く学習を開始すればよいというものでもないという主張。残念なのは、最終章「早期英語教育を考える」で、インプット量の増加とモチベーションの観点から筆者は小3くらいからの学習を提案するが[→]2015/09/08