出版社内容情報
武家の娘・卯野は、髪を結うのが大好き。武家らしくないと叱られながらも髪結いに魅せられていたある日、旗本の兄に付け火の濡れ衣が着せられて……。激動の中で夢を追う少女の物語。(解説/日下三蔵)
倉本 由布[クラモトユウ]
内容説明
代々八丁堀与力をつとめる浅岡家の娘・卯野は、髪を結うことが大好きで、きれいなものに目がない。武家の娘らしくないと母や周囲にたしなめられながらも、新しい髪型を試したり、町ゆく女たちの髪を眺めるのが何よりの楽しみだ。だがある日、当主である兄が、付け火の濡れ衣を着せられ…。運命に翻弄されながらも「好き」を力に変えて懸命に生きる少女の物語。書き下ろし時代小説。
著者等紹介
倉本由布[クラモトユウ]
1967年6月14日生まれ。静岡県浜松市出身。共立女子大学文芸学部卒業。浜松市立高等学校在学中の84年「サマーグリーン―夏の終わりに」で第3回コバルトノベル大賞に佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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annzuhime
32
図書館本。中高生の頃によく読んだ倉本由布さん。久しぶりに見かけたので借りてみた。江戸時代。女髪結いに憧れる武家の娘の話。少女小説出身の倉本さんが時代小説を書くとこうなるのか。うん、やっぱり少女小説ですね。時代小説と思って読むと、設定がザックリとしており、物足りなさが強いのが残念。少女小説の枠からは出ることができていない様子。懐かしさとともに、気楽に読めたのでまあよいですが。今作は女髪結い師になるための序章。今後の活躍は次回作に持ち越しみたい。続きは機会があれば読みます。2018/12/01
はる
31
この作者の本はずっとコバルト時代から追いかけてたけど、社会人になってからは御無沙汰だったんだけど、久しぶりに見かけて大興奮。内容もコバルト時代とは違う書き方になっているので、新しい作者に出会ったかのような新鮮さがあります。展開が結構急な感じがしますが、この巻は髪結として出発するための下地的な要素があるように思います。虎之助さんとの関係やいかに。そして、お蔦さんの素性とは?って感じです。すべてのキーワードは虎之助さんが握っているように思います。次回からは本格的に髪結としてのスタートになるので楽しみです。2020/11/03
豆乳くま
28
コバルト文庫の少女小説家倉本由布さんの初の一般作だと言う。兄が付け火の濡れ衣を着せられ武家の娘ではなくなった卯野。運命に翻弄されながらも「好き」なものが何よりも勝り髪結いを目指す。卯野の「きれいなものが好き」は今の子の「かわいい」に繋がる。料理、着物、に続く新しいシリーズになればいいと思う。たのしみ。2016/07/27
tomtom
15
兄が無実の罪に陥れられて切腹した割にそこまで悲しみが伝わってこないのは何故だろう。家名の存続をしないでどうやって暮らしていくつもりだったのだろう。千世も全く出てこなくなってしまったけどまた登場して欲しい。2023/02/16
絳楸蘭
15
卯野の好きなものが回りの人たちに認められていて、理解されているのがいいなぁ…と。武家の娘だからと諦めさせられなかったのがいい。お母様の毅然とした姿が頼もしく素敵だ。2016/09/04
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- 和書
- おばあちゃんスプーン