出版社内容情報
平安建都から百五十年あまり、貴族文化が花開くころ。少年武官と美貌の陰陽師見習いが、宮中の怪異に挑む! 人気シリーズ『ばけもの好む中将』の原点、瀬川貴次の名作平安怪異譚。(解説/三田主水)
瀬川 貴次[セガワタカツグ]
内容説明
貴族文化が花開かんとしている平安の世。十五歳の夏樹は、近衛府に武官として勤め始めたばかり。宮中での生活は珍しくて面白いが気苦労も多く、唯一の息抜きが女房として宮仕えをする従妹を訪ねてのおしゃべりだった。そんなある夜の帰り道、夏樹は闇の中に立ちつくす美少女と遭遇する。彼が指を差す先では、一体の馬頭鬼が踊っていて…。少年武官と美貌の陰陽師見習いが、宮中の怪異に挑む!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。瀬川ことび名義での著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
この作者さんの作品「ばけもの好む中将」の出版されているものをすべて読んでしまいましたのでこのシリーズを読んでいこうと思い手に取りました。1994年に発表されていたようです。陰陽師の話としてはかなり古くから話題になっていたようですが私は夢枕獏さんのシリーズしか知りませんでした。主人公が若い男の子で読者対象も若い人向きであったようです。ただこの1作目を読んで「ばけもの好む中将」と同じように平安時代を結構楽しめそうです。主人公のいとこの女の子はあまり好きそうにはなれませんが。2023/12/02
ちょろこ
65
平安時代に違和感なく入り込めた一冊。少年武官と陰陽師見習いが宮中の怪異に挑むストーリー。読みやすくて面白くて平安時代の世界に違和感なくスルッと入り込めた。怪異はそこそこおどろおどろしさがあったけれど、あおえのおかげで緩和されていた気がした。いつの時代も人の情念はやっかい…そしてそれが溢れ出した時ほど怖いものはない。あおえのキャラが可愛くて癒される。こういう形で気軽に平安時代に親しむことができる作品は好き。2018/07/17
papako
60
ばけもの好む中将からの流れで。あまりに続けて読んだので、あれ?女御?更衣?あれ?ってなっちゃいました。古い作品らしくちょっとがちゃがちゃした文章かな。ちょっと登場人物のキャラは好みじゃないけと、鬼のあおえにまた会えるかしら。2018/11/05
大阪魂
48
ばけこの中将の瀬川さんの別シリーズ。こっちも時代は平安、主人公も美男子2人ゆうのは中将とかわれへんねんけど、こっちは陰陽師の天才研修生・一条と、霊刀をもつ近衛武官・夏樹、どちらも15歳。なによりちゃうんは、鬼も幽霊も式神もとにかくいろんなものがでてきまくり…おまけに馬頭の鬼は心優しく気が弱いし、夏樹は夏樹でリチャードの正義みたいに口が悪いわ、短気やわ…ばけこのの方が断然すきやなあっておもてるねんけど、これから悪役とかもでてきそうな雰囲気やし、とにかくこっちもぼちぼちよんでこ…2022/02/23
momi
45
シリーズ第一弾!「ばけもの好む中尉シリーズ」が好きなのでこちらも読んでみることにしました!読み始めは「ばけもの〜」の方がイイ!と感じましたが、読み進めていくとなかなか面白く、華やかな平安の宮中の世界に飛び込んで行けました!20年以上前の作品の復刻版です!御所に現れた物の怪を陰陽師生と少年武官…地獄の鬼とで退治するお話!この鬼の「あおえ」のキャラが際立っていて面白いと言うかクスッと笑ってしまいます!2018/05/11