出版社内容情報
拉致監禁。両手親指切断。強姦、そして扼殺。残虐な連続殺人事件が世間を賑わせる中、「私犯人を知ってる」という女子高生が探偵の前に現れ…。渾身の恋愛ホラーサスペンス。(解説/吉田伸子)
内容説明
興信所を営む曽根崎栄治の前に、女子高生・民代が現れる。十九年前に突然姿を消した恋人・真弓が産んだ栄治の娘だと主張する彼女は、二人の人物を探して欲しいと依頼する。半信半疑ながら栄治が調査を進めるうち、民代は、調査対象者のどちらかが世間を騒がす残虐な連続監禁殺人事件の犯人だと言いだし…。この子は一体、何者なのか。犯人の正体は何なのか。ノンストップ恋愛ホラーサスペンス!
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
329
拉致監禁した女性の両親指を切断して...うぉぉ、いいぞいいぞ。途中までワクテカで読んだんだけど、落としどころにSci-Fi入っちゃって、ちょっと好みから外れちゃったかな。それでも誉田さんのリーダビリティにブレなし。堪能しました。2017/01/11
Yunemo
273
まず、二人のヒロインを殺してしまうという設定に驚き。でもそれが、この著の根源に繋がるプロローグ。そもそもが遺伝的に記憶と人格の継承という、あり得ない状況設定、だからこそ、ホラーとのジャンルに入ってしまうのでしょうかね。この種の遺伝、血の継続、多重人格等々は、簡単には理解し難い分野、あまりにも現実と乖離してしまう、でもそれでいいんですかね。人の本質ってなんなんだろう、という問い。少なくとも、男とか女とか、若いとか年を取っているとか、こんな前提条件に惑わされずに向かい合うこと。やっと表題の意味を理解して読了。2015/12/05
JKD
143
拘置所にいる曾根崎と猟奇殺人という怪しげなプロローグ。さらに謎だらけな民代の出現で話がどんどん展開していくからページをめくる手が止まらない。肉体を乗り継ぎ生き長らえる不死の魂!?これって「妖の華」に似てるなと思ってたら、そういや同じ誉田さん作品だったことに気付いた。最後まで飽きのこない安定感のある素晴らしい作品でした。2016/01/03
まさきち
123
刑事物、SF小説、恋愛小説など多種多様な要素で構成された物語。遺伝的に記憶と人格を継承する人々という設定に少々混乱を来すとともに、序盤では強引さを感じていたものの、終盤の悲喜の入れ替わりの激しい展開の中で違和感は薄らいで徐々に引き込まれ、頁をめくる手の速さがましていった一冊。そして何より誉田さんが描き出す姫川玲子のような真のしっかりとした女性像を堪能することのできた話でした。2016/11/08
りゅう☆
115
殺人を黙秘する曽根崎、誰かが飛び降り自殺図ってる?親指切断、レイプ後生理が来ると殺すという謎やグロさから始まる。忘れられない女性との娘と名乗る民代が曽根崎を訪ねて男性2人の行方を捜索依頼。天才児の正体は?民代の目的は?それぞれに残る記憶から全体像が見えてきて、行く末を容易に予測できるのに、ずっと眉間に皺寄せっぱなしでどんどん先を読んでしまう。終盤はガッツリ感情移入する前に端折った感あったけど、だらだら描かれるよりはいいかな?様々な愛に悲しさ切なさはあったが、これでよかったと思えるラストではないでしょうか。2016/10/18