出版社内容情報
ドレープの神様として、長年美智子皇后に最も信頼され、専属デザイナーだった植田いつ子さん。その確かな技術はまるで魔法のよう。美智子皇后はじめ向田邦子さんとの交流秘話や、半生をつづる自伝。
内容説明
昭和51年に拝命してから36年間、専属デザイナーとして皇太子妃美智子様(当時)の一番近くにお仕えし、精魂こめて勤めた日々の思い出。その間3度も世界的なベスト・ドレスドに選ばれた美智子様との心温まるエピソード。直木賞受賞の際、著者のデザインした衣裳を身に付けスピーチした向田邦子さんとの友情秘話。「女性をいかに美しく見せるのか」を追求し続けた孤高のデザイナーの自伝エッセイ。
目次
第1章 皇后美智子さまの素顔
第2章 熊本―私の心象風景
第3章 美しいものを創りたい
第4章 デザイナーとしての再出発
第5章 贈り物じょうずの友がいて
第6章 こころを遊ばせる私的空間
第7章 私の服づくり
著者等紹介
植田いつ子[ウエダイツコ]
1928年熊本県生まれ。桑沢デザイン研究所で学び、銀座「レインボウ」のデザイナーを経て、56年に独立。以来、オートクチュールを中心に幅広く活躍。美智子皇后の専属デザイナーとして長年勤める。2014年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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和草(にこぐさ)
8
丁寧な言葉で綴られた本。2018/09/24
hitotak
5
1928年に生まれ、女性デザイナーの草分けであった著者が、丁寧で美しい言葉で綴った自伝。具体的なエピソードが書かれているわけではないが、男性優位の戦後日本社会で女性が会社を経営し、お針子を雇って服を作る困難さは相当のものだっただろうと推察できる。キャリアウーマンとして同様の立場であり、よき理解者だった脚本家・向田邦子氏との友情と突然の別れが書かれた箇所は、向田氏が著者にとってどれほど大きな存在だったのかがわかり、月日が流れても止まない著者の哀しみが伝わってきた。2019/10/03
さなぎ虫
3
皇后陛下のデザイナーとして世界的に名前の知れたデザイナー氏の自伝。恥ずかしながら彼女の経歴や志を全く存じませんでした。戦後の混沌の中を美しいものに対する希望に打ち込んだ日々のお話は、美輪明宏の語りと重なります。有難い本でした。2015/03/28
あるぱか
1
美智子皇后の衣装を作成されていた作家さんのエッセイ。美意識がはっきりされていてかっこいいなぁと思える内容でした。皇后様以外には、向田邦子さんなど往年の大スターの名前も。自分に対しては厳しい方ですが、他の方に対する描写は慈愛に溢れた内容でそこも素敵だなぁと思いました。2023/02/23
あや
1
美しいもの、人の優しさについて語る時の言葉の選び方がとても素晴らしい。2015/09/05