出版社内容情報
信吾の将棋会所は今日も盛況。彼が書いた指南書のデキは? 波乃の懐妊を知った皆の反応は? 定番人情もの最新刊。
内容説明
猿曳きの誠と猿の三吉が、信吾に正月の演目について相談に来たが…(「犬猿の仲」)。波乃の最初の相談客だったアキが遊びに来て、将棋会所の常連ハツと知り合う。二人は波乃の妊娠に気付き…(「ちゃからかぽん」)。岡っ引の権六親分が連れてきた若者は、なんと彼の息子で…(「蛙の仔」)。など、軽妙な読み味ながら心にしみ入る人情もの。シリーズの読者なら、今作は同窓会的な感慨も覚えるはず。
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年徳島県生まれ。立命館大学文学部中退。93年、一人芝居「風の民」で第三回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤枝梅安
67
シリーズ通算18作目。6編構成。サルの三吉と犬の波の上の対面から始まり、主だった登場人物が次々に登場し「顔見世」の様相。波乃の出産が間近に迫り、信吾の将棋指南の書籍も刊行に向け準備が進む。いつものように故事来歴や蘊蓄も語られ、信吾と波乃、そして二人を取り巻く人々の成長と繁栄の物語。「齷齪(あくせく)」という漢字表記も久しぶりに目にした。2025/01/30
onasu
11
通算では18冊目となる今回の目玉は、「おやこ相談屋」と将棋会所「駒形」を営む信吾・波乃夫妻に子ができたことを公にすることと(焦らせるな)、信吾が将棋の指南書を書き上げて出版待ちとなることだが、初っ端、猿曵きの誠が正月を前に猿の三吉を連れて新たな演し物の相談に訪れると、久々に三吉とのやり取りが。 今回は粗筋にある通り既出の面々が次々と現れて、読んできた身には嬉しい反面、やや新鮮味に欠けたが、末編では岡っ引の権六親分が、今回唯一の意外な脇役候補を連れて現れるという、ちゃんと玉を用意していましたね。2024/07/31
ミド
8
ようやく波乃のお腹が大きくなってきたけれどまだ産まれない。子供の名前は本当にそれでいいのか。自分はかっこよく筆名をつけておいて子供には言葉あそびとはねえ。作者さんは十二支の話がよほどお気に入りなんだ。信吾は相変わらず将棋で負けなしで文才もあって相談屋としても頼られて、さらには動物とも話せるとか、無双するなろう主人公みたいになってきた。2024/10/27
MITOTA
5
権六親分がこんな人格者だったとは⁈ 嫌われ者の初登場から徐々に株を上げてきましたが、この最終章の蛙の仔で、権六親分の人間性が決まった感じ。家族もお披露目されました。これからも安心して読み続けられます。2025/02/20
相馬
1
シリーズ18作目。今回は短篇ばかり6篇。アラカルト風でゆったりとした雰囲気。二人の子供はまだ産まれていないが、登場する子供たちの成長等が感じられ、時間の流れを感じる。2024/08/10
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