出版社内容情報
2023年大河ドラマの主人公・徳川家康。彼は臆病者だから天下を取れた!? 新たな切り口で実像に迫る連作短編。家康小説の決定版。
内容説明
「遺訓の言葉はな、恐れた相手たちから学んだことよ」病床に伏す家康は、遺訓を書き終えて側近の儒者・林羅山に告白する。自分は怖がりだったが故に、天下を取れたのだと―。信長、秀吉、利家、三成など、家康が出会った八人の武将たち。彼らの何に恐れ、何を学んだのか。天下統一を成し遂げるまでの半生を家康視点・時系列で追うことで彼の実像に迫る、連作短編集。これまでにない家康小説!
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年、東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年『戯史三國志我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞、16年『闘鬼斎藤一』で第4回野村胡堂文学賞、22年『高く翔べ快商・紀伊國屋文左衛門』で第11回日本歴史時代作家協会賞(作品賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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いつでも母さん
150
晩年、病床の家康が林羅山に遺訓として伝える言葉。その真意は8人の武将から身をもって学び得た思いなのだ。耐え、忍び、望みを押し殺し・・自らを戒め怒りを呑み込もうと四苦八苦しながら、時が来るのをひたすら待って、待って・・ようやく掴んだ徳川の世。その家康が恐れた8人の男たち―信玄に信長、真田昌幸に秀吉、利家・三成・黒田如水に真田幸村ー彼らをして家康が浮かび上がる本作。「最も」と謳っているのに8人とは?と思うものの、そこは長生きの家康だものね。一人には絞れないだろう。本人も「構わんか」と笑っていたしね。2022/11/13
とん大西
125
泰平の世となり、後は平穏な死を待つばかりの家康。信玄、秀吉、真田等々…子孫への遺訓として対峙してきた好敵手達を語る。回顧録風な連作短編に出来るのは天下人家康だからこそ。次の大河でもあるし、巧い設定かなぁ、と。…でも、しかし…なんだか残る読了後のモヤモヤ。吉川作品は好きだし、舞台も大好物の戦国時代。スッキリしないこの感じは…いや、ホントはわかってるのです。家康…好きじゃない(どちらかというと豊臣贔屓)。なんだか勝ち組の自慢話みたいでちぃと鼻についたかも(作品のクオリティとは全く関係ないのに)(^o^;)2022/12/04
とし
85
家康が最も恐れた男たち。 「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳴」 徳川家康73才・武田信玄52才・織田信長48才 真田昌幸64才・豊臣秀吉61才・前田利家61才 石田三成40才・黒田如水58才・真田幸村48才 家康はあまり好きではないのですが、読みやすく面白かったです。 2022/12/12
Die-Go
68
図書館本。江戸幕府を開いた徳川家康が生涯で恐れを抱いた男たちとそこから何を学んだかを描く。いや、本質的には、何を学んだかと言うよりも恐れからどのよう生き抜いたかを描いているか。半生を一冊に収めているため、駆け足気味になっているのは否めないが、それぞれの男たちに感じ方があって味があってよい。さすが、名手吉川永青。★★★★☆2023/02/03
優希
45
家康と8人の武将たちの短編集になります。武将たちは家康を脅かしますが、家康が恐れたばかりに天下を取れたという逆説が面白いと思いました。天下統一を成し遂げるまでの家康の全貌に迫るのが興味深かったです。2023/12/17
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