出版社内容情報
紫式部の娘賢子・恋多き小式部・こじらせ女子の中将。藤原道長からの密命に宮中でのライバル同士、ドタバタ三人娘が駆け回る歴史時代小説
内容説明
平安京に遷都して、二百年ばかり。紫式部の娘・藤原賢子が仕える中宮彰子の息子が後一条天皇となった。そんなある日、賢子、小武部、中将の君のライバル三人娘に、憧れの藤原頼宗から妙な依頼が。訳も分からず快諾をしてしまうが、なんと男女入れ替わって振る舞う妹と弟を元に戻してほしいというのだ。しかも、時の権力者・藤原道長からの至上命令だと…。ドタバタ三人娘が活躍する時代小説。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年埼玉県生まれ。2000年『春の夜の夢のごとく 新平家公達草紙』で第4回健友館文学賞を受賞し、デビュー。05年「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作、19年『青山に在り』で第1回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。「更紗屋おりん雛形帖」(17年第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞)などシリーズ作品も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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昼寝ねこ
111
「藤原賢子(紫式部の娘)、小式部(和泉式部の娘)、中将の君」の三人娘が藤原頼宗(道長の息子)の依頼を受けて奔走する楽しい歴史物語。それも男女入替った性自認の道長の息子と娘を変えてほしいという厄介な依頼。要するに『とりかへばや物語』なのだが内容にしても文体にしてもラノベっぽくて軽い。私は平安王朝が結構好きなのでフィクションとノンフィクションが適度に混ぜ合わされて面白かったが平安王朝に興味がない人には厳しいかもしれない。好き嫌いは分かれると思う。藤原賢子は紫式部の偉大さに霞んでいるが中々の才女だったようだ。2025/05/20
真理そら
79
紫式部の娘・賢子の宮仕えのお話。藤原道長の娘や息子が登場するが明子腹の男子と倫子腹の女子でとりかえばや物語が進行している点も楽しい。この男子も女子も実在なので元気いっぱいの六の君のその後やなよなよした小若君のその後も読者には分かっている点が『ざ・ちぇんじ!(氷室冴子)』と違う。2021/03/29
さつき
73
紫式部の娘賢子が主人公。皇太后彰子に仕える女房仲間の中将の君と小式部のトリオを中心に「とりかへばや物語」のストーリーを当てはめた斬新な作品です。個性の違う3人がぶつかり合いながらもお互いを思いやり成長していく様子は応援したくなります。前日譚として児童書があるのは知っていますが未読なので、そちらも読んでみたいです。2023/07/30
坂城 弥生
53
紫式部の娘、賢子が主人公のお話。同母兄弟、異母兄弟、身分…複雑だけど、興味深い。あと源氏物語を読んでみたくなった。2021/08/10
はにこ
48
平安ものは今までほとんど読んだことが無かったのだが、とても面白かった。この時代についてあまりにも無知だったので、調べながら読んだ。3人の年頃のガールズトークも面白かったし、女性の出世欲とか仕事の価値観、ジェンダーなど考えさせられる内容だった。「とりかえばや」が組み込まれていることも解説で知った。2021/09/01