出版社内容情報
激闘の末、清陰高校は三回戦を突破。準々決勝の相手は、東京・景星学園だ。黒羽と灰島の気持ちがすれ違う中、試合が始まり……!?
内容説明
高校最高峰の夢舞台・春の高校バレー。連日の熱戦で多くの高校が夢破れてコートを去る中、清陰高校は部員8名で戦い抜いていく。東京の景星学園の監督が灰島に持ちかけた転校の話を巡り、口論になってしまった灰島と黒羽。一方、景星の主将・浅野は親友である箕宿高校の弓掛の想いも胸に、清陰と対戦する。清陰はどこまで行けるのか―もっとも熱く、もっとも泣ける、最強の青春スポーツ小説!
著者等紹介
壁井ユカコ[カベイユカコ]
沖縄出身の父と北海道出身の母をもつ信州育ち。学習院大学経済学部経営学科卒業。第9回電撃小説大賞“大賞”を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
50
8人の弱小チームが初出場ながら準々決勝に勝ち進んだ。強豪校との連戦は死闘の如く彼らを追い込む。まるで目の前で試合が展開されているかの様にリアルで手に汗を握る。勝者も敗者もここまでの過程を丁寧に描くことでプレーの1つ1つに意味があり感情が表現され深みを増す。バレーの面白さは勿論のこと、高校3年間をどっぷりバレーに尽くす彼等の姿をあらゆる側面から描いてくれて読み終えることが淋しくて切なくてしょうがなかった。青春スポーツ小説の傑作と言える。2021/03/30
ユー
33
最新作発刊されましたが、文庫版はここで完結。カバーデザインと文章だけで実際の試合を見ているかのごとくイメージ出来てしまう程の素晴らしさ。直ぐに両チームの得点が分かる様に書いている章が有れば、逆に半ばまで得点が分からない様に書いている章も有って、本当に読み応えがあります。春高の試合だけでなく、そこに至るプロセスも短いながらも濃密に描く。全6冊の中で、一番泣けて来ますね。まだまだ続いて欲しいのに、どうしてここで終わってしまうのか?主役は未だ高校2年生になって間もないのに。これからの彼らが楽しみでなりません。2023/11/14
しゃお
29
春高編後編。もうね、終盤は涙腺緩みっぱなし。「ぼん」と呼ばれていた黒羽。親戚からはこの先も言われ続けるかも知れないけど、最初の頃の姿からは想像できないほどの成長を見せてくれました。そして灰島も同じく大きく成長しており、二人が互いの意思と感情をぶつけてそして受け入れる様子は涙なしでは読めません。途中影が薄く感じた二人だけど、やはり主人公はこの二人だったと思える清々しく胸の高鳴りを抑えられないラストに胸がいっぱいになりました。バレーの白熱した試合も目に浮かぶようでしたしライバル校の描き方も素敵でした。2021/04/11
わらわら
17
春高編前半を読んで春高バレーに萌えたのは昨年だった。実際の春高バレー1月の決勝戦をテレビで見て燃えた。あれから数か月清陰高校のことも春高バレーのこともすっかり忘れていた。そうだ!箕宿高校と死闘の戦いをしたのだった。中盤をすぎ燃えだした。対戦相手景星高校の主将浅野直純君がまたいいやつで泣かせるのだ。高校生、子供かと思えば大人だ、大人のように忖度がなくいい。セッター灰島くんの最後の決断が「すごい」黒羽くんの投げた言葉がいい。2年生になった黒羽、灰島はどんな人間に成長していくか、次回が早く出版されるように願う。2021/04/14
Yuri
17
続きが読みたくて、でも決着がつくのが怖くて。私はただ小説を読んでいるだけなのに、当事者であるかのように1点1点に緊張して…。読みたいのに読みたくない そんな矛盾。ここまでの緊張感と試合が終わった時の複雑過ぎる思いを緻密に描写できる壁井先生 凄すぎます。もう動悸が治まらない。間違いなく読んでよかったと言える話。熱が冷めないうちにシリーズ1冊目から読み返したい。2021/03/24