集英社新書<br> 未完の敗戦

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集英社新書
未完の敗戦

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  • サイズ 新書判/ページ数 304p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087212167
  • NDC分類 360
  • Cコード C0221

出版社内容情報


なぜこの国は人を粗末に扱うのか?
その根本原因に迫る!

コロナ対策、東京五輪強行開催、差別やハラスメント、長時間労働、低賃金……。
日本の組織はあまりにも人間を、人の命や暮らしを、軽視していないか?
こうした状況と酷似するのが、先の戦争中の日本社会だ。
本書では、大日本帝国時代の歴史を追いながら、その思考の構造を明らかにし、今もなおその精神文化が社会のあちこちはびこる事実を数多くの事例を通して検証。
敗戦で否定されたはずの当時の精神文化と決別しなければ、一人一人の人間とその暮らしが尊重される「民主」社会は実現しない。
仕方ない、という思い込みとあきらめの思考から脱却するためのヒントと道筋を提示する書。

【「はじめに」より】

日本人は、なぜ死ぬまで働くのか。
日本の経営者は、なぜ死ぬまで社員を働かせるのか。
弾薬や食糧などの補給物資を送らずに「目標の達成」を前線の兵士に要求した、先の戦争における大本営(戦争指導部)と、給料を上げず休息も十分に取らせずに「成果」を現場の社員や労働者に要求する、現代の(すべてではないにせよ、無視できないほど多い)経営者たちの間には、同じ思考形態が共有されているように見えます。

それは、外国人技能実習生と呼ばれる低賃金労働者と、戦争中の東南アジア植民地で徴用した「労務者」との共通点にも見られます。
彼らは共に、日本という国や日本企業の利益のために、苛酷な労働環境で道具のように酷使され、搾取される存在です。

こうした現代における社会問題を解決・改善する糸口として、本書は先の戦争における「大日本帝国型の精神文化(思考法)」に現代の視点から改めて光を当て、さまざまな角度から、その精神文化の構造を読み解いていきます。

(中略)

大きな「全体」のために奉仕や犠牲を強いられることなく、一人一人の人間が大事にされる社会を創るために、本書の論考がお役に立てれば幸いです。

【目次】
はじめに
第一章 狂気の再発――東京オリンピックに暴走した日本
第二章 「特攻」を全否定できない日本人の情緒的思考
第三章 なぜ日本の組織は人間を粗末に扱うのか
第四章 敗戦時の日本は何をどう反省していたのか
第五章 日本が「本物の民主主義国」となるために必要なこと
おわりに

【著者プロフィール】
山崎 雅弘(やまざき まさひろ)
戦史・紛争史研究家。主な著書に、『日本会議 戦前回帰への情念』『「天皇機関説」事件』『歴史戦と思想戦 歴史問題の読み解き方』(以上、集英社新書)、『中国共産党と人民解放軍』『第二次世界大戦秘史 独ソ英仏の知られざる暗闘』(以上、朝日新書)、『[増補版]戦前回帰』(朝日文庫)ほか多数。
ツイッターアカウントは、@mas__yamazaki

内容説明

コロナ対策、東京五輪強行開催、ハラスメント、長時間労働、低賃金…。なぜ日本ではこんなにも人が粗末に扱われるのか?そんな状況と酷似するのが戦中の日本社会だ。本書では、大日本帝国時代の歴史を追いながら、その思考形態を明らかにし、今もなおその精神文化がはびこっていることを様々な事例を通して検証。敗戦で否定されたはずの当時の精神文化と決別しなければ、一人一人の命が尊重される社会は実現しない。仕方ない、という思い込みとあきらめの思考から脱却するための、ヒントと道筋を提示する書。

目次

第1章 狂気の再発―東京オリンピックに暴走した日本
第2章 「特攻」を全否定できない日本人の情緒的思考
第3章 なぜ日本の組織は人間を粗末に扱うのか
第4章 敗戦時の日本は何をどう反省していたのか
第5章 日本が「本物の民主主義国」となるために必要なこと

著者等紹介

山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

120
東京五輪を強行する様な政権を、特攻や靖国崇拝で国民を死に追いやった大日本帝国に準えて批判する。著者の主張に概ね共感するが、全てを大日本帝国に押し付けるのが正しいのか…。1946年文部省の「新教育指針」に記された「日本人は人間性・人格・個性を尊重しない」「批判的精神に乏しく権威に盲従」「自国優先思想と独善的な精神文化」という課題が今も克服されないことから、「大日本帝国の「敗戦」を完結しなければ、本物の民主主義国になれない」との主張だが、この特質が大日本帝国によるのか日本人の個性なのか、もう少し考えてみたい。2022/07/08

アキ

108
明治維新から終戦まで77年、終戦から今年は77年経ちます。ちょうど見開きの本のように。明治時代に資本主義が導入され、大日本帝国が全体主義により太平洋戦争に至り、原爆を落とされた。敗戦後、民主主義がアメリカ主導で教育に導入されたが、個人の批判的な考え方などは学校でも社会でも求められていません。戦争で亡くなった日本軍人約230万人の内、食糧不足で餓死したのが約6割の140万人。現在の日本社会は、大日本帝国の過ちを議論しないまま、その精神文化を引きずって今に至っています。本書は具体例を挙げてそれを指摘している。2022/08/10

syaori

79
先の敗戦が日本では「完結」していないと作者はいう。それは日本社会が大日本帝国型の精神文化と「訣別」できていないということで、本書ではその精神文化構造についてや敗戦の「完結」が冷戦で疎外されたこと、反共重視の米国の方針と絡み旧体制派が「保守派」となった顛末などが語られます。これが問題なのは、あの戦争はアジアの植民地を解放した等の大日本帝国の名誉を守ろうとする彼らの言動が現在の日本国の名誉を傷つける効果も生むからで、日本が民主主義の国であり続けてほしいなら敗戦を「完結」させなければという言葉が重く残りました。2023/10/20

skunk_c

71
本書の最大の価値は、戦後まもなく文部省が出した『新教育指針』と中高生向け教科書『民主主義』の内容紹介だと思う。前者による戦前社会の批判が、現代にも当てはまる例が多いという著者の指摘は同感。また、批判的思考を教育で進めるべきという提言は、75年たった現在の学習指導要領でも『歴史総合』などのあり方として実質的に言われている。つまり75年経ってもできていないという現実をやはり我々は直視すべきでは。コロナ下のオリンピック開催批判、特攻礼賛批判から始めているが、かえって若い読者を遠ざけないかちょっと心配。2022/09/06

ひこうき雲

62
戦時中から変わらない日本人の特徴。気をつけなきゃ。─「ある美談をメディアが盛り上げれば、自分も感動で気持ちよくなって楽しむ。そんな日本人の特質を大日本帝国の軍人や、政治家、メディアは戦争を煽るという目的のために最大限利用しました」─自分も感動で気持ちよくなって楽しむ…2022/09/04

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