集英社新書<br> インド残酷物語―世界一たくましい民

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集英社新書
インド残酷物語―世界一たくましい民

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087211917
  • NDC分類 302.25
  • Cコード C0239

出版社内容情報

格差上等、差別当然、腐敗横行のインド社会で、人々は誇り高きレジリエンス=たくましさとともに、驚くべき強さを身につけていた――。
過酷な“今”を生きぬくヒントがここに。

世界有数の大国として驀進するインド。
その13億人のなかにひそむ、声なき声。残酷なカースト制度や理不尽な変化にひるまず生きる民の強さに、現地で長年研究を続けた気鋭の社会人類学者が迫る!
日本にとって親しみやすい国になったとはいえ、インドに関する著作物は実はあまり多くない。
また、そのテーマは宗教や食文化、芸術などのエキゾチシズムに偏る傾向にあり、近年ではその経済成長にのみ焦点を当てたものが目立つ。
本書は、カーストがもたらす残酷性から目をそらさず、市井の人々の声をすくいあげ、知られざる営みを綴った貴重な記録である。
徹底したリアリティにこだわりつつ、学術的な解説も付した、インドの真の姿を伝える一冊といえる。
この未曾有のコロナ禍において、過酷な状況におけるレジリエンスの重要性があらためて見直されている。
超格差社会にあるインドの人々の生き様こそが、“新しい強さ”を持って生きぬかなければならない現代への示唆となるはず。

■目次■
はじめに
第一章 純愛とiピル 
カウサリヤの恋/「名誉殺人」という名付け/「アイ・アム・カウサリヤ」/親の期待とiピル/「伝統」と家族の呪縛 【解説:カーストとダリト差別】
第二章 水の来ない団地で 
極彩色の内装/文字のない世界/洗濯屋カーストのグル/カースト・アソシエーションとインフォーマルな社会保障 【解説:新しいインドを理解する三つのM】
第三章 月曜日のグル法廷   
「俺、合法なんだってさ」/権力の結節点としてのグル/舗装道路と使われないトイレ/世捨て人のパラドックス 【解説:インドの「消えた女性たち」】
第四章 誰が水牛を殺すのか?   
マーランマの怒り/社会的制裁と新しい抵抗/カラスのフンと呼ばれた少年/アディジャン・パンチャーヤトとダリト解放運動/数千年の傷を癒すこと/無縁者のカリスマ 【解説:インドの地方自治と農村パンチャーヤト】
第五章 ウーバーとOBC 
スレーシュが刑務所に行くことになったわけ/コネと機転/「腐敗・汚職行為の必要性」/ウーバーとインドの情報革命/都市労働者とOBC/教育という投資/スレーシュの「チェンジ」 【解説:IT産業とカースト】
おわりに

■著者プロフィール■
池亀 彩(いけがめ あや)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授。
1969年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学、京都大学大学院人間・環境学研究科、インド国立言語研究所などで学び、英国エディンバラ大学にて博士号(社会人類学)取得。2015年から東京大学東洋文化研究所准教授を経て、2021年10月より現職。

内容説明

世界有数の大国として驀進するインド。その一三億人のなかにひそむ、声なき声。残酷なカースト制度や理不尽な変化にひるまず生きる民の強さに、現地で長年研究を続けた気鋭の社会人類学者が迫る。市井の人々の知られざる営みを綴るとともに学術的な解説を付した本書は、インドの真の姿を伝える貴重な記録である。昨今、過酷な状況におけるたくましさ=レジリエンスの重要性が見直されている。超格差社会を生き抜く彼ら、彼女らのありようこそが、新しい強さを持たなければならない現代へのヒントともなるだろう。

目次

第1章 純愛とiピル(カウサリヤの恋;「名誉殺人」という名付け ほか)
第2章 水の来ない団地で(極彩色の内装;文字のない世界 ほか)
第3章 月曜日のグル法廷(「俺、合法なんだってさ」;権力の結節点としてのグル ほか)
第4章 誰が水牛を殺すのか?(マーランマの怒り;社会的制裁と新しい抵抗 ほか)
第5章 ウーバーとOBC(スレーシュが刑務所に行くことになったわけ;コネと機転 ほか)

著者等紹介

池亀彩[イケガメアヤ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授。1969年東京都生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学、京都大学大学院人間・環境学研究科、インド国立言語研究所などで学び、英国エディンバラ大学にて博士号(社会人類学)取得。英国でリサーチ・アソシエイトなどを経験した後、2015年から東京大学東洋文化研究所准教授を経て、2021年10月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

118
インドのシリコンバレー、ベンガルールを有するカルナータカ州といえば、インドの中でも民度が高そうな印象がある。カンナダ語話者である人類学者がそのカルナータカ州や隣のタミル・ナードゥ州で行った調査に基づくエッセイ。ヒンディー至上主義者蔓延る北部(私の偏見)よりマシなのかもしれないが、全然民度高くない。差別はやはり酷いし、女性は乱暴されるし殺される。社会保障はほぼなく、コネや親族の支えがないと生きていけない。その社会の中でもカーストの枠を超えてよりよい生き方を目指す人々にスポットが当てられ希望が持てる内容。2023/01/01

ぶち

100
インドのカルナータカ州バンガロールには何度か出張したことがあります。デカン高原という高地のため比較的涼しく、IT産業の中心地でもあるため最もインドらしくないインドと呼ばれています。そこではカースト制度はなくなったとも言われています。しかし、でも、外国人の目にも歴然として差別は映ってしまいますし、アンタッチャブル(不可触民)と呼ばれる最下層の貧困層は街のいたるところで目にします。本書は、そんな地で実際に暮らしている個々の人々を描き出すことで、そんな残酷な状況でもたくましく生きる人々のパワーを伝えてくれます。2023/01/31

キムチ27

71
拾い物!とてつもない面白さ。新進気鋭の学者がインドを解明とあるだけに、言葉は裏切っていなかった。世界的に注目を浴びるモディのかじ取り・英スナク氏の国政手腕・国際市場上位に有るIT産業、そして来年には中国を抜いて世界一位の人口になると言われている印。私の苔むす知識~カースト制度と不可触民、古代文明位。だが【出生選別と消えた一億人の女性・男児願望と選別・固定化した格差・社会保障制度以前の社会で頼るモノは身内家族・・おのづと住み分けが始まるフォーマル インフォーマルセクタ―・グル、村落バンチャーヤトの存在意義】2022/12/04

ちゃとら

52
【図書館本】映画のRRRを観た時に、読メでこの本を紹介していた人がいて読んでみた。今や世界経済を牽引している企業のほとんどのトップにインド人がいる時代。なのに根深いカーストや男尊女卑、ギャップに驚いた作品でした。2023/08/10

たまきら

42
著者は学術書ではない、というけれど、そしてその通りかもしれないけれど、何冊もの学術書よりもカルナータカ州エリアのインドを深く知ることが出来ました。インドのリアルを紹介しながらも、時に心底その構造に幻滅しながらも、著者の出会った人々への眼は温かく、それを反映するかのように出会った人々もあたたかい。後書きですっかりなじみになった方々の近況を読みながら、教育の重要性をかみしめました。問題だらけの混沌としたこの世界ですが、助け合いぶつかりあいながら生きていきたい…。素晴らしい一冊です。読み友さんから。2023/01/16

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