出版社内容情報
なぜ彼は「切腹」したのか? 最後の長編『豊穣の海』の意味不明ともいえるラストシーンの意味は何か? 日本を代表する社会学者が、これまで誰も説明できていなかった両者の繋がりを精緻に解析する。
大澤 真幸[オオサワ マサチ]
著・文・その他
内容説明
近代日本が生み出した最高の知性が、なぜこれ以上ないほど「愚か」な最期を選んだのか?そして、「究極の小説」を目指して執筆した最後の長編『豊驍の海』のラストは、なぜ支離滅裂ともいうべきものになったのか?一九七〇年一一月二五日、三島は市ヶ谷駐屯地に向かう前に、編集者へ『豊驍の海』の最後の原稿を渡すよう準備を整えている。つまりこのふたつの謎には何らかの繋がりがあると考えるべきなのだ。だが、これまで誰もそれを「合理的」に説明できていない。あの日、作家の内部でいったい何が起きていたのか?日本を代表する社会学者が、三島の全作品を徹底的に読み解き、文学史上最大の謎に挑む!
目次
1970/11/25に結びついた二つの謎
仮面の無意識
時代錯誤の決起
鉄の肉体
「吃り」の告白
猫を斬ってもなお残るもの
美の現れ
ニヒリズム研究
白鳥に化す天皇
不毛の海
真の“豊穣の海”へ
著者等紹介
大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年、長野県松本市生まれ。社会学者。1987年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。千葉大学文学部助教授、京都大学人間・環境学研究科教授等を歴任。2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、2012年『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎と共著)で新書大賞、2015年『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。個人思想誌『Thinking「O」』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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