集英社新書<br> 三島由紀夫 ふたつの謎

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集英社新書
三島由紀夫 ふたつの謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 320p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087210552
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

なぜ彼は「切腹」したのか? 最後の長編『豊穣の海』の意味不明ともいえるラストシーンの意味は何か? 日本を代表する社会学者が、これまで誰も説明できていなかった両者の繋がりを精緻に解析する。

大澤 真幸[オオサワ マサチ]
著・文・その他

内容説明

近代日本が生み出した最高の知性が、なぜこれ以上ないほど「愚か」な最期を選んだのか?そして、「究極の小説」を目指して執筆した最後の長編『豊驍の海』のラストは、なぜ支離滅裂ともいうべきものになったのか?一九七〇年一一月二五日、三島は市ヶ谷駐屯地に向かう前に、編集者へ『豊驍の海』の最後の原稿を渡すよう準備を整えている。つまりこのふたつの謎には何らかの繋がりがあると考えるべきなのだ。だが、これまで誰もそれを「合理的」に説明できていない。あの日、作家の内部でいったい何が起きていたのか?日本を代表する社会学者が、三島の全作品を徹底的に読み解き、文学史上最大の謎に挑む!

目次

1970/11/25に結びついた二つの謎
仮面の無意識
時代錯誤の決起
鉄の肉体
「吃り」の告白
猫を斬ってもなお残るもの
美の現れ
ニヒリズム研究
白鳥に化す天皇
不毛の海
真の“豊穣の海”へ

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年、長野県松本市生まれ。社会学者。1987年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。千葉大学文学部助教授、京都大学人間・環境学研究科教授等を歴任。2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、2012年『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎と共著)で新書大賞、2015年『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。個人思想誌『Thinking「O」』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

121
全く同じ日(1970年11月25日)に起きたふたつの謎、三島の割腹自殺と遺作『豊饒の海』の原稿終了、をめぐっての考察が縦横に語られる。なぜ、世界的な文豪・三島があのような人生の終わり方をしたか? 「永遠の謎」を解くヒントが様々示されている。面白かったのは、初期の最も重要な長篇小説『仮面の告白』に『豊饒の海』の驚くべき結末が予感され準備されていた、という指摘だった。『豊饒の海』の結末から遡って『仮面の告白』を読み返すと、LGPTの先駆的小説に留まらない意味が見えてくる、という。無性に再読してみたくなった。2018/12/25

かみぶくろ

104
「豊穣の海」のラストの衝撃は、いまも、そしてこれからも忘れることはないだろう。すべてを否定するあの寂寞は、小説における「虚無」の表現の究極形だと思う。本作では、社会学者マサッチーが、①なぜ知性の塊の三島があんな無様な自死を遂げたのか②なぜ豊穣の海はあのような最後となったのか、の謎に迫る。分析自体は極めて濃密で、プラトンのイデア論なんかをフックに、三島作品を貫く「海」「火と鉄」の2つの論理から、作品史を読み解いていく。そもそも三島が大好きなので、内容の難しさに頭を抱えつつも、楽しく意義ある読書時間となった。2019/08/14

harass

87
講義からまとめた新書の三島論。社会学者の著者は長年思い続けていた、三島の2つの謎を考察する。なぜあのような知性の持ち主が、あのような最後を迎えたのかと、最後の小説「豊穣の海」の不可解な結末などだ。多数の三島作品や評論から論じていく。ある程度三島作品を読んでいて、著者の大澤にも馴染んでいる人なら一番楽しめるだろう。自分は飛ばし飛ばしで読んでしまったが、なかなか楽しめた。三島は書き飛ばして駄作として自覚している作品があるそうで、そういう作品は知り合いに献本するときに署名しなかったそうだ。良書。2019/02/16

佐島楓

76
世界(自分)の破壊を作品と現実の両方において設計してしまったのが三島というひとなのだろうか。このような読み方は行ったことがなかったので、ミステリを読み解くようで大変参考になった。が、本人が残した言葉がすべてではないというところに永遠性がある。私には人間の性的孤独をついに受け容れられなかったひとのようにも思える。最近少し作品を読み返しているので、豊饒の海四部作くらいは再読したい。2018/11/20

fwhd8325

45
これまでにも、たくさんの三島論が語られてきた。これからも昭和という時代を語るとき、必ず、三島は登場するだろう。作家としてだけでなく、この人の存在そのものが「時代」だったと思います。私は、三島への想いは強く、否定的な考え方もありながら、やはり、特別な存在であることは間違いありません。ここで語られているほど、三島論をたたかわすことはできません。三島には美への計り知れない追求があったと思います。11.25もその延長にあるものと思っています。今年は、もう一度三島を読んでみようと思います。2019/02/14

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