内容説明
国民の境界をめぐる「原則」と「現実」。正しい理解にもとづいた議論のために―。複数国籍をめぐる日本の社会状況および法制度とその運用、世界各国の動向、当事者の抱える問題などについて学際的視点から実態を分析。国内の「国籍唯一の原則」への固執と国際化が進む社会の実態の乖離を明らかにする、複数国籍に関する初の学術書。
目次
第1部 日本の複数国籍をめぐる社会状況(近年の複数国籍をめぐる日本の議論について;複数国籍に関する社会意識―「複数の国籍を保持することに関する調査」の基礎分析から;国籍法をめぐる日本人当事者の実情;国籍離脱の自由の規範内容と複数国籍の合理性;日本の行政機関における国籍管理の現状と複数国籍者把握の可能性)
第2部 複数国籍をめぐる世界的な動向(複数国籍者からの国籍剥奪―国家安全保障を軸とした議論の行方;ドイツの複数国籍―「現実」と「原則」の乖離;制度的寛容の持続とゆらぎ―英国における複数国籍;アメリカ合衆国とカナダにおける複数国籍の容認と分岐;東アジアの無国籍者と複数国籍者―国々のはざまにいる人びとのアイデンティティ ほか)
著者等紹介
佐々木てる[ササキテル]
青森公立大学経営経済学部教授。専門:国際社会学、地域社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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