集英社新書<br> テンプル騎士団

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集英社新書
テンプル騎士団

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087210408
  • NDC分類 230.45
  • Cコード C0220

出版社内容情報

「テンプル騎士団」はエルサレム巡礼に向かう人々の保護のために設立されたが、軍事力、政治力、経済力すべてを持ち合わせた超国家組織に変貌を遂げる。西洋歴史小説の第一人者がその興亡を描く。




佐藤 賢一[サトウケンイチ]
著・文・その他

内容説明

十二世紀初頭に誕生した「テンプル騎士団」は、もともとエルサレム巡礼に向かう人々の保護のために設立された。しかしその後、軍事力、政治力、経済力すべてを持ち合わせた超国家組織に変貌を遂げる。彼らは、後世に影響を与えた数々の画期的な制度(管区、支部といった巨大ネットワークを張り巡らせる組織作り、指揮命令系統の明確な自前の常備軍、銀行業の始まりともいわれる財務管理システムなど)を形成した。西洋歴史小説の第一人者が、その成立過程から悲劇的結末までの二百年にわたる興亡を鮮やかに描き出す。

目次

第1部 テンプル騎士団事件―前編
第2部 テンプル騎士団とは何か(テンプル騎士団は始まる;テンプル騎士団は戦う;テンプル騎士団は持つ;テンプル騎士団は貸す;テンプル騎士団は嫌われる)
第3部 テンプル騎士団事件―後編

著者等紹介

佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県生まれ。山形大学教育学部卒業後、東北大学大学院文学研究科で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第六回小説すばる新人賞を受賞。99年『王妃の離婚』で第一二一回直木賞を受賞。2014年に『小説フランス革命』(全一二巻)で第六八回毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

64
名は聞いたことがあるが・・。某有名作家の「騎士団長殺し」も読んでないし(全然関係ないか?)。1307年、フランス王による騎士団メンバー一斉捕縛から説き起こされる。十字軍遠征の後の聖地エレサレム巡礼。その街道筋警備を使命としたテンプル騎士団。修道会規律も取込み、教皇お墨付きも得て軍事集団として急成長。更に欧州各地に拠点を広げ、金融、海運業も営む巨大国際組織に。そして200年後のその日、危機感を抱いた世俗権力に突如壊滅させられる。中世ヨーロッパ。教皇権威と世俗権力。その間に咲いた徒花のよう。知らなかった歴史。2018/07/25

エドワード

58
たまには歴史の本を読もう。それも教科書の隅っこにあるテーマを。テンプル騎士団―十字軍の時代、エルサレムへの道の安全確保のために、9人から始まり、瞬く間に一大勢力となる。封建軍と異なり、統制のとれた最強の常備軍であり、修道士であり、土地と船を持ち、西方世界と東方世界に数多くの支社を置き、旅行業と金融業も兼ねた、融通無碍なカンパニーだ。王家の経理をまかされ、国家をもしのぐ力を持ったがために滅ぼされた。佐藤賢一氏が度々スター・ウォーズのジェダイ(騎士だ!)を持ち出して、流麗な筆致で描き出す中世にワクワクする。2018/08/03

nnpusnsn1945

56
テンプル騎士団は常備軍、修道院、地主、農場、そして銀行を担った組織でもあった。支部は米軍基地のように治外法権となっており、その国の王様が逃げ込むケースがあるほど強かった。一時期は強く、十字軍後も銀行として役割を担ったが、次第に各国の王から恨まれ、騎士団内の風紀も退廃し、やがて解体に至った。しかし、一握りのトップが処刑されたのを除いて割りと関係者が無事だったらしい。ポルトガルではほぼそのまま残っているようだ。組織力の強さから、今日もフリーメイソン等陰謀論のネタにされるが、史実も中々面白い組織であった。2022/10/03

molysk

55
テンプル騎士団は、十字軍国家で巡礼者を保護するために設立された騎士修道会。同時に、上意下達の命令系統をもつ常備軍であり、寄進で得た資産を活用して融資も行う金融機関であり、融資を通じて諸侯への影響をも行使できる、軍事的、経済的、政治的に強大な、近世的な組織であった。十字軍の終焉でその大義を失うと、ローマ教皇と対立して国家の世俗化を目指すフランス王フィリップ4世にその資産を狙われる。突然の拘束。拷問による自白。そして、団長の火刑。聖地防衛のために結成された騎士団は、異端の汚名の下に悲劇的な結末を迎える。2020/01/18

星落秋風五丈原

52
映画『ダ・ヴィンチ・コード』で一躍名が知られたテンプル騎士団。本書は彼等が一斉に逮捕される場面から始まる。聖地エルサレムへの巡礼者護衛の目的で自然発生的に結成されたテンプル騎士団が、なぜ時の権力者から敵視される存在になったのか。三部構成から成り、一部と三部は本の上での現在―テンプル騎士団逮捕劇―が扱われ、二部でテンプル騎士団の歩み―過去―が紹介。護衛目的なのだから騎士としての役割が先に来る。それも、日本では織田信長が目指した常備軍に近い、軍事の専門家ばかりが集められる。「常備」のための容れ物―建物が。2018/08/08

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