集英社新書<br> 欲望する「ことば」―「社会記号」とマーケティング

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集英社新書
欲望する「ことば」―「社会記号」とマーケティング

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087210118
  • NDC分類 801.03
  • Cコード C0236

出版社内容情報

加齢臭・癒し・〇〇女子・・時として私たちの欲望をぴたりと表現し、世界を動かす力を持つ社会記号はどのようにして生まれるのか。気鋭の文化社会学者とPRのカリスマが、このダイナミックな現象を多角的に論じる。

内容説明

女子力、加齢臭、草食男子、婚活、美魔女、おひとりさま、イクメン、インスタ映え…。これら、どこからともなく現れて一般化した造語を、著者は「社会記号」と呼ぶ。そして、それは世界の見え方を一変させ、マーケットを支配していくという。では、「ことば」はどのように生まれ、どんなプロセスを経て社会に定着していくのか。なぜ人は新しい「ことば」を求めるのか。本書は、マーケティングのプロと研究者がタッグを組み、それぞれの視点で「社会記号」について考察。人々の潜在的欲望をあぶり出し、世の中を構築し直す「社会記号」のダイナミクスに迫る。

目次

はじめに 社会記号が世の中を動かす
第1章 ハリトシス・加齢臭・癒し・女子―社会記号の持つ力
第2章 いかに社会記号は発見されるか―ことばと欲望の考察
第3章 ことばが私たちの現実をつくる―社会記号の機能と種類
第4章 メディアが社会記号とブランドを結びつける―PRの現場から
第5章 なぜ人は社会記号を求めるのか―その社会的要請
第6章 対談 誰が社会記号をつくるのか
おわりに 社会記号をクリティカルに捉える消費者になるには?

著者等紹介

嶋浩一郎[シマコウイチロウ]
1968年生まれ。上智大学卒。博報堂ケトル共同CEO。PR視点で企業コミュニケーションを手掛ける。本屋大賞実行委員会理事。東京・下北沢に本屋B&Bを運営

松井剛[マツイタケシ]
1972年生まれ。一橋大学教授。博士(商学)。専門はマーケティング、消費者行動論、文化社会学など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

34
加齢臭、癒し、女子、ハリストスの共通点は?答えはいずれも新たな市場を生み出した。(ハリストスは口臭の原因)社会記号とは、いわゆる流行語。生き方や社会構造が変わる際の予兆でもある。本著はその専門家と実践者による解説本。具体例が豊富で、かつそこそこ学術的で説得力もある良書。我々が社会記号を求めるのは、ラベリングで思考の節約をしたい、納得してもらえる動機の言葉が欲しい、何がスティグマ(負の刻印)なのかハッキリさせたい、無数にあるものを整理整頓するスキーマが欲しい、為という分析はとても頷けました。2017/12/20

kana

23
ずっと読みたかったし、読んでよかった本。美魔女やら加齢臭やら、社会のある事象を表す言葉「社会記号」がどのようなメカニズムで生まれ、マーケティング等で活用されていくのかを学問・ビジネスの両面から考察する意欲作です。どうやってビジネスに効く社会記号をつくるかのハウツー本では全くないところが良いです。ことばで規定して思考停止するのでなく、より深く理解するための足がかりにしたい。また多様化・個別化し、マスで捉え難くなりつつある世の中で、この社会記号の形成過程がどう変化していくのかも、改めて注目したいと思いました。2022/03/25

takka@ゲーム×読書

16
この本はビジネス書と教養書(言語学・社会学)のハイブリッドと呼べる本。リア充やインスタ映えなどマーケティングによって生み出された「社会記号」がどう社会に影響を与えたか。また、逆にどう社会の無意識なニーズを拾い上げて記号化できるのか。言語について考える上で外せない一冊。2022/04/07

Don2

11
消費者研究やマーケの本に出てくる"インサイト"はいち事業に閉じた文脈が多いが、本書の"インサイト"は社会を動かす。曰く、誰かが逸脱事例から潜在的欲望(=インサイト)を発見し、名前=社会記号をつける(忌避対象としての"加齢臭"等)。顕在化した市場への投資拡大がマス報道を生むとある種のステレオタイプが定義され、市場が爆発的に拡大する。社会記号へのニーズが①ラベリング②動機の語彙③スティグマ④スキーマに整理される話、社会記号の8つの機能、多数の社会記号の変遷事例研究、逸脱事例研究の正当性等、見所の多い良書。2020/11/25

ぴよ子

9
知っている流行り言葉などがたくさん例に挙げられて、分かりやすく生まれた背景、ビジネスへの繋がりなどが書いてあり、読んでいてとても面白かった。 実は著者は本屋大賞の立ち上げにも関わっている人らしく、私は本屋大賞毎回注目しているので実はこんなところでも活躍されている人なんだなとも思った。2017/12/14

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