出版社内容情報
歴史は常に勝者の物だった。『日本書紀』は8世紀当時の権力者の強い影響下で生まれてきた。近現代の歴史をも規定するこの書物の正体を最新の歴史学で解剖し、その「絶対の正典」を相対化する!
吉田 一彦[ヨシダカズヒコ]
内容説明
“本と日本史”は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を考え、当時の世界観・価値観がどのように成立し、変化していったのかを考察する歴史シリーズ。第一巻が扱うのは『日本書紀』。歴史は常に勝者のものだった。『日本書紀』もまた、当時の権力者の強い影響下で生まれ、書物と書物の争いを勝ち抜いてきた。今日においても歴史の記述に大きな力を持つこの「正典」を最新の歴史学の知見をもとに読み解き、相対化する。本書は歴史解釈の多様性を示す『日本書紀』研究の決定版である。
目次
権威としての『日本書紀』
『日本書紀』の語る神話と歴史
『日本書紀』研究の歩み
天皇制度の成立
過去の支配
書物の歴史、書物の戦い
国史と“反国史”“加国史”
『続日本紀』への期待、落胆と安堵
『日本書紀』の再解釈と偽書
『先代旧事本紀』と『古事記』
真の聖徳太子伝をめぐる争い
『日本霊異記』―仏教という国際基準
『日本書紀』の呪縛を越えて
著者等紹介
吉田一彦[ヨシダカズヒコ]
1955年東京都生まれ。日本史・仏教史学者。名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授、博士(文学、大阪大学)。1986年上智大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
佐藤一臣
coolflat
樋口佳之
さとうしん