出版社内容情報
およそ30年間、宇沢の仕事に伴走してきた岩波書店の名編集者が、“人間が真に豊かに生きることができる条件"を求め続けた天才経済学者の魂のメッセージに肉薄する! 知られざるエピソードも満載。
内容説明
宇沢は走り続けた。走りながら考えた。社会を本当によくするためには何が必要か―。ノーベル経済学賞にもっとも近いと評された宇沢は、その評価を自ら否定する形で自動車の社会的費用、成田闘争、地球温暖化、教育問題等々、二〇世紀後半に日本社会が直面していた困難な課題に立ち向かっていった。本書では、宇沢理論とマルクス経済学との関係を始め、これまで語られることのなかった側面にも言及。およそ三〇年間、宇沢の仕事に伴走してきた岩波書店の名編集者が、“人間が真に豊かに生きる条件”を求め続けた天才経済学者の魂のメッセージに肉薄する!初の宇沢思想入門。
目次
序章 数学から経済学へ(東京大学数学科入学まで;数理経済学者の誕生)
第1章 アメリカでの活躍とベトナム戦争の影(渡米、スタンフォード大学へ;剽窃疑惑 ほか)
第2章 自動車の社会的費用(帰国、東京大学経済学部助教授;満を持した処女作執筆 ほか)
第3章 近代経済学の再検討―宇沢思想の出発(公害問題に立ち向かう;『近代経済学の再検討』における新古典派理論の批判 ほか)
第4章 「豊かな国」の貧しさ(宇沢が持ってきた三つのダンボール箱;『経済学の考え方』を書く―一二年間の熟成 ほか)
第5章 「成田」問題とはなにか(成田闘争の経緯;『「成田」とは何か』―隅谷調査団への参加 ほか)
第6章 地球温暖化に抗して(地球温暖化問題に取り組む;『地球温暖化を考える』の内容 ほか)
第7章 著作集の刊行、そして教育問題への提言(『著作集』収録リストから見えてくるもの;教育への深い関心 ほか)
終章 社会的共通資本という思想(社会的共通資本の基本的な考え方;いくつかの補足的論点 ほか)
著者等紹介
大塚信一[オオツカノブカズ]
1939年生まれ。63年、岩波書店に入社。「思想」や岩波新書、その他の叢書や講座シリーズの編集を担当。「へるめす」創刊編集長を経て、97年から2003年まで代表取締役社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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