出版社内容情報
“静謐の画家"の謎を解き明かす!
いまやオランダを代表する画家になったフェルメール。彼には、“静謐の画家"という異名があるが、それはなぜか。色彩や構図への考察をはじめ、17世紀オランダの精神文化に至るまでを分析する。
内容説明
レンブラントやゴッホと並び、いまやオランダを代表する画家になったフェルメール。彼には“静謐の画家”という異名が冠せられている。しかし、「なぜフェルメールの絵が静かなのか」という問題が真正面から語られたことはなく、専門書にもその理由は記されていない。本書は、フェルメールの絵における色彩や構図、モチーフ、光などへの考察をはじめ、一七世紀オランダの時代背景や精神文化に至るまでを分析し、フェルメールの静けさの謎に迫る。
目次
第1章 フェルメールブルー
第2章 構図と素材の秘密
第3章 女たちの姿態
第4章 剥奪される意味
第5章 穏やかな光、霞む空気
第6章 静けさを描くことの理由
第7章 静かでないフェルメール
著者等紹介
藤田令伊[フジタレイ]
1962年生まれ。アートライター。大手出版社編集者を経て、現職。「フツーの人」の立ち位置を大切にアート界とファンを橋渡ししている。アートポータルサイト「フェルメール美術館」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
38
フェルメールの作品の系統、作品へのこだわり、作品ができた時代背景等がわかると、作品の見方が大きく変わったように思います。今までは、フェルメールブルーや構図に関心をもって、いくつかの作品を美術館で見ましたが、どこかでらフェルメール展が開催されたら、すぐにでも見に行きたいと思いました。 2016/10/14
かな
13
フェルメールといえば「静謐の画家」。ではその静謐の正体は何なのか。色調、構図、モチーフ、そして絵の提示する意味性などにその要因を探るというもの。出発点が素朴な分、著者の論旨に納得したり、首を傾げたりしながら、対話を楽しむように読み進めることができた。何よりも自分のフェルメール作品に対する印象を再度振り返り深めるよいきっかけを与えてくれたことが嬉しい。時折のぞく著者のフェルメール愛が微笑ましく、好印象。同時代のほかの画家にも興味がわいた。2015/11/05
寝落ち6段
10
フェルメールの贋作事件があった。ナチスを騙したこの事件を知り、フェルメールはオランダの誇りなんだと印象に残っている。有名な『真珠の耳飾りの少女』青い布を頭に巻き、黒い背景の中で光り輝くように振り向いている。ウルトラマリンブルーという瑠璃から精製した青を使い、静謐さを描き出している。青という色彩の特徴、空間の取り方、配置される静物、単純作業をしている人、暖かみのある光などその方法は多くありすぎる。私は、静寂の中の一つの音が更に静謐さを醸していると思う。牛乳を注ぐ音、手紙のかさっとする音などである。2019/09/01
プリン
10
電車の中と、マウリッツハイス美術館展の待ち時間で読了。「フェルメールの絵が静謐なのはなぜか」という問いに正面から答えます。あのブルーのもたらす視覚効果や、同時代のオランダ人画家とフェルメールの違いなど、実にわかりやすかったです。こういう本を読むと、フェルメール全点制覇したくなる気持ちがよくわかりました(笑)2012/09/16
あっぷる
8
面白かったです。 フェルメールの意外な人生や人間像についての考察、オランダの背景など分かりやすくまとめられていました。 フェルメールブルーや静謐の画家と呼ばれているのは有名だけど…実際は、など絵画そのものについても十分に紹介されていました。2016/03/11
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