出版社内容情報
単一の林分内で木材生産と生物多様性保全の両立を目指し、
北海道有林のトドマツ人工林160ヘクタールで、
保持林の大規模実証実験を行って12年。
一連の成果を、研究者、林業事業体、企業、行政の担当者たちが紹介。
【目次】
はじめに
第1部 序論
第1章 なぜ今、保持林業か?……山浦悠一
久万高原町のハリギリ
保持林業とは
人工林と生物多様性
自然保護区の役割とその限界
保護区を取り巻くマトリックスの重要性
世界の人工林経営は環境保全型へ
本書の構成
北海道での大規模実証実験
なぜ保持林業か?
数十年後を思い描きながら、木を残す
第2部 大規模実験の成果
第2章 保持林業の木材生産性……尾崎研一
はじめに
伐採とは
伐採の経費
保持林業の伐採経費
調査結果から考えられること
おわりに
第3章 保持木の生残……明石信廣・雲野 明
はじめに
保持木調査
保持木の死亡率
伐採に対する樹種ごとの反応の違い
気候に左右される保持木の生残
おわりに
第4章 下層植生……明石信廣
はじめに
調査方法
伐採前の植生と人工林の管理の影響
伐採後の種組成の変化と保持林業の効果
おわりに
第5章 外生菌根菌……小長谷啓介
はじめに
外生菌根 ─森林を支える菌との共生
調査方法 ─北海道の大規模実証実験
群状保持区の結果 ─パッチが守る非伐採林の多様性
単木保持区の結果 ─広葉樹保持木の周りに作られた独特な群集
考察 ─見えてきた菌の応答パターン
おわりに ─多様性に配慮した木の残し方は?
第6章 地表性甲虫……山中 聡
はじめに
調査方法
実証実験から分かったこと
オサムシ・ゴミムシ類の応答
腐肉食性シデムシ・糞虫類の応答
おわりに
第7章 コウモリ……河村和洋・赤坂卓美
はじめに
コウモリにとっての森林
森林にとってのコウモリ
調査方法
意外にも活気ある人工林
皆伐の影響、広葉樹保持の効果
おわりに
第8章 鳥類……山浦悠一・雲野 明
はじめに
土地の節約vs共有
調査方法
観察された鳥類
伐採前の広葉樹の役割
各処理の効果
伐採後の広葉樹の役割
おわりに
コラム1 ポツンと残された孤立木で営巣するクマゲラ……雲野 明
コラム2 ヨタカ─伐採で守る遷移初期種……河村和洋
第3部 実験のとりまとめと振り返り
第9章 実証実験の10年間の成果をまとめて……尾崎研一
はじめに
世界で行われている保持林業
成果のとりまとめ
生物多様性保全
伐採地の風景的価値(保健休養機能)
機能間の比較
人工林に適した保持林業
何を保持するのか
どれくらい保
内容説明
構想から14年、北海道の大規模実験の集大成。木材生産の効率性だけを考える時代は転換期へ。生物多様性を保全する林業の新たな形を世に問う。研究者、事業体、企業、行政担当者が一連の成果を紹介。
目次
第1部 序論(なぜ今、保持林業か?)
第2部 大規模実験の成果(保持林業の木材生産性;保持木の生残;下層植生;外生菌根菌;地表性甲虫;コウモリ;鳥類)
第3部 実験のとりまとめと振り返り(実証実験の一〇年間の成果をまとめて;保持林業を現場で作業して;道有林で保持林業を実践して)
第4部 保持林業の実践(北海道の社有林で保持林業を実践して;高知県のスギ・ヒノキ人工林で保持林業に取り組んで)
第5部 今後に向けて(保持林業の課題と展望)
著者等紹介
山浦悠一[ヤマウラユウイチ]
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所四国支所主任研究員、博士(農学)。岩手大学や東京大学、長野県職員、北海道大学などを経て現職。二〇年以上にわたり、森林の生物多様性の保全について研究
山中聡[ヤマナカサトシ]
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所北海道支所主任研究員、博士(農学)。北海道大学大学院農学院博士後期課程修了、同大学院ポスドク研究員を経て現職。主な研究テーマは生物多様性保全と林業活動を両立するための森林管理手法の開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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