集英社新書
素晴らしき哉、フランク・キャプラ

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  • サイズ 新書判/ページ数 249p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087206111
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C0274

出版社内容情報

大恐慌のアメリカを映画で励ました男
1929年、大恐慌のアメリカを映画で励ましたフランク・キャプラ本邦初の評伝。アカデミー賞監督賞の栄冠を三度手にし、1950年代の赤狩りに巻き込まれた男の人生。山田洋次監督特別談話収録。

内容説明

一九二九年の大恐慌でどん底にあったアメリカ。失業者があふれ、沈滞した社会を映画で励ましたのがフランク・キャプラである。『或る夜の出来事』『スミス都へ行く』そして国民的映画『素晴らしき哉、人生!』などの名作を監督、三度のアカデミー賞監督賞の栄冠を手にし、イタリア移民としてアメリカンドリームを実現する。そして一九五〇年代に吹き荒れた赤狩りでアメリカに裏切られた男の人生。本書は、今なおスピルバーグ、スコセッシをはじめ映画人から敬愛され、色褪せることのないキャプラ映画の魅力に迫る、本邦初の本格評伝である。イントロダクションに山田洋次監督の特別談話「映画の嘘」を収録。

目次

映画の嘘(山田洋次(映画監督))
序 アメリカがこよなく愛する映画―なぜいまキャプラなのか?
第1章 キャプライズム宣言―『狂乱のアメリカ』
第2章 善意の哲学―『一日だけの淑女』
第3章 いまなお新しいキャプラ―『或る夜の出来事』
第4章 アメリカと社会運動―『スミス都へ行く』
第5章 至高のアメリカ映画―『素晴らしき哉、人生!』
第6章 赤狩り―『波も涙も暖かい』

著者等紹介

井上篤夫[イノウエアツオ]
1947年岐阜県生まれ。作家。ハリウッド映画に通暁する。早稲田大学文学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yamatoshiuruhashi

53
おそらく日本人の筆による初めてのフランク・キャプラ伝。私は1970年、日曜洋画劇場で「ポケット一杯の幸せ」を観たのがキャプラ映画の諸体験だった。淀川長治の解説も大筋よく覚えていた。その後、名画座まわり、ビデオ、レーザーディスクと名画に触れる機会が触れるにつれ、キャプラ作品にのめり込んでいったが、中でも「1日だけの淑女」「素晴らしき哉、人生」と「スミス都へ行く」は大好きな作品で、色々な媒体、バージョンで所有し観返している。本書により作品の制作背景など詳述され満足の一冊である。イタリア移民としての生い立ち→2021/09/16

あきあかね

24
 これまで無数の映画を観てきたけれど、最も好きな洋画はフランク·キャプラの『素晴らしき哉、人生!』だ。何度観てもラストシーンの大団円では滂沱の涙が流れ出る。 キャプラの生涯と作品をコンパクトにまとめた本書は、山田洋次監督の談話から始まる。太平洋戦争の足音が忍び寄る時代、俳優としての活動の場を失った宇野重吉は絶望し、死ぬ前に一本映画を観ようと思い、偶然、キャプラの『スミス都に行く』に出会う。宇野は身体の中に活力が湧いてきて、死ぬ気持ちが遠ざかったという。宇野が山田洋次に語った「山田君、映画は、一人の遠い⇒2021/09/18

KAN

10
「素晴らしき哉、人生!」を友人の勧めで初めて見たのが30年以上前。米国クリスマスの定番映画ということと、「ホームアローン2」で出てきたところで、本当にポピュラーな映画、自分のキャプラ観はそこまでだったけど、本書を読んで、ぜひ一連の、とくに「スミス都に行く」を見てみたいとおもった。20世紀の時代とは無縁ではいられなかった映画監督だけれど、その信念やプロフェッショナルな意識はもっと評価され、見直されるべきものかなと思った。2021/11/04

ネムル

7
『素晴らしき哉、人生』は公開当時は赤字だったのね。でも、80年代に著作権が消えて頻繁にテレビ放映されることによって、この作品に日の目が当たった、というエピソードは如何にもキャプラの映画っぽく心温まる。30年代の世界恐慌から赤狩り、その後に至るアメリカ人の精神的な風土の変化が確認できる。2015/01/19

mizzan72

6
「素晴らしき哉、人生!」は、観返す度少しずつですが、印象が変わります。若い頃よりも、40代の今の方がフランク・キャプラのメッセージが、素直に身体に入ってくる気がします。それはそうと、僕は世代的に「バックトゥ・ザ・フューチャー」を先に観たため、本作を初めて観た際、映画製作者の心の内を覗き見たような、別の意味での感動を覚えたものです。2016/11/17

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