中公文庫
ひなた弁当

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122055353
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

五十歳を目前に会社からリストラされた芦溝良郎は、妻や娘からも愛想をつかされ居場所を失う。リストラに仕組まれた罠を知っても、自信も誇りもない男に立ち上がる気力はなかった。ある日、隣近所の手前、出勤しているふりをして立ち寄った公園のベンチで、良郎にひとつのアイディアが閃く。良郎が手にした「生き抜くすべ」とは。

著者等紹介

山本甲士[ヤマモトコウシ]
1963年生まれ。96年『ノーペイン、ノーゲイン』で横溝正史賞優秀作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

203
読友さんからオススメいただいたお初の作家さんです。「お疲れサラリーマンにぜひ!」とのオススメで‘処方’していただきましたが、本当に今の疲れた自分にピッタリの作品でした。年齢は私と10歳ほど離れている主人公「良郎」は50歳を目前に住宅メーカーからリストラに。再就職もままならず、途方にくれる「良郎」ですが、とあるキッカケから人生が思わぬ方向に。失意のどん底にいながらも、どこか前向きなキモチを忘れない主人公にココロうたれ、結局人は「人として素直に向き合う」ことを忘れず、大切にしていかなければいけないんだなと。2016/09/07

いつでも母さん

124
『銀幕の神々』の作家だと手にする。この作家の作風なのかな?温かい。読後感がたまらなく良いのだ。始めはリストラされた男の情けなさと会社や上司に苛立ちながらだったが(最後まで畑田総務部長にはむかつく)家族に対しても、なにより自分自身に対して前向きになれていい顔になっていたのが良かった。自分の路を切り拓いた良郎がかっこいい。ギスギスして生きにくい社会のなかで、こんなお弁当が、お弁当屋があったら嬉しいなと自然に思えた。ちょっと疲れた人にお薦めです。2015/09/05

七色一味

116
読破。これもしばらく本棚の片隅にあった本。なんとなくパラパラと読み始めたらぐっと惹き込まれました。低空飛行から転落の前半と、きっかけをつかむまでの這うような期間、そしてきっかけを掴んでからの上昇とわかりやすい構成で、あちこち散見するご都合主義的展開はあるものの、こういうテーマなら致し方なしかと。だって、それがないと這い上がれないままじゃん。2015/10/07

もりやまたけよし

102
サラリーマン生活がとても辛いと感じた時などに読むと、元気が少し出てくると思います。チョットベタな展開ですが、ひねってないところが山本さんの良いところで安心して読めます。2017/07/31

あすなろ

90
山本氏の作品は、初読みだが、なかなか面白く読了した。リストラから、どう主人公なりに新しい生活を構築するかがテーマ。野にも川にも、彼のヒントはあった。しかし大事なのは、彼の工夫と創意と努力があったからだと思う。団栗やオイカワが食べられるということぐらいは、なんとなく知識ある人もそれなりにいると思うが、美味しく食べる工夫は普通しない。そんな、出来そうで出来なそうな話だったが、総じて良かった。自分で切り開く道というのは、読者に明るさを与える。加えて、幼い頃の近所の川の釣りを思い出させた。やってみたいな。2014/09/16

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