出版社内容情報
明治維新はフランス革命の「半分」だった?
明治維新も8・15革命も1968も「半分」だけに終わった日本は、革命の本家本元のフランスと一体どこが違うのか?
内容説明
人気No.1ジャーナリストと、西洋歴史小説の第一人者が、日本の政治的混迷について、熱く語り合う。振り返ってみれば、あの「明治維新」も、第二次大戦直後の「8・15革命」も、多くの若者たちが街頭に繰り出した「1968」の熱狂も、日本の革命はすべて不発に終わった―。果たして日本の近現代史は、革命の本家本元のフランスと比べて、どこが根本的に違うのか?また、東日本大震災後の未曾有の危機に直面する私たちは、ついに残り1/2の後半戦に臨むことになるのか?本気で怒ることを忘れて久しい日本人の謎に迫る一冊。
目次
序章 改革、変革、革命
第1章 日本人がフランス革命を語る意味
第2章 「半分」だった明治維新
第3章 「半分」だった戦後の革命
第4章 言葉の時代、あぶない後半戦
終章 日本は後半戦に臨むべきか?
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年生まれ。慶応大学卒業。NHK報道記者を経てフリーに
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年生まれ。東北大学大学院で西洋史学を専攻。99年『王妃の離婚』で第一二一回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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桃水
13
2011/06/20:フランス革命と日本の近代革命(明治維新、8・15、政権交代など)との比較。 フランス革命って前半後半に分けられるのですね。 そうして比較してみると日本は確かに前半で終わっているかも。 東日本大震災で後半戦突入するかどうかはまだ微妙だと思います。2011/06/18
ふろんた2.0
11
『小説フランス革命』を執筆した佐藤氏と池上氏の対談。フランス革命と明治維新をはじめとした日本の改革の違いについて議論する。2014/10/21
白義
11
「佐藤賢一に池上彰が聞くフランス革命入門」という感じの本。フランス革命は、単に制度の革命や宣言に留まらず、王政を切り捨て社会的動乱の域にまで発展した「フルサイズの革命」で、日本の革命は「1/2の革命」と言う視点からフランス絶対王政と江戸幕府、ナポレオンとマッカーサーの比較など取っつきやすく愉快な例えが連発、フランス革命を親しみやすくしている。フランス王政を支えたのは軍事的パワーだけでなく、絢爛豪華な王朝文化による文化パワーによる洗脳、それは政治の弱さの裏返しである、というのが面白い指摘2013/05/18
りー
10
司馬遼太郎さんの大村益次郎を読み、浅田次郎さんの女性から見た新撰組を読み、ふと「他の国はどうだったっけ?」と思って手に取った本。2011年当時の対談なので、今読むとアイタタ・・・な面(民主党)もあるけれど、差し引いても面白かった。池上さん、優れたインタビュアーだなぁ。佐藤さんの話を聞きながら、シナプスが繋がっていく感じ。互いの言葉を引き出しあって、質の高い対談。特に、絶対王政下、ヴェルサイユの華美と、日本の参勤交代の共通性には、なるほど!と。橋本さんの平家読み終えたら手を出そうかなー。フランス革命史。2018/09/22
シュウ
9
歴史は繰り返されるか。。フランス革命時と現在の日本に同じようなところが見えるのだとしたら、結局ど〜すれば良いのだろうか。権利を得るためには、それに対する義務もあるし対価も支払わなければならないという意識が薄いという言葉には納得です。実績がないから、言葉しかないって、確かに!教科書レベルから少し踏み込んでフランス革命の概略をさっと読むに良かったです。ただ、対話形式はわかりやすいのかわかりにくいのかがわからなくなります。。2013/01/14