出版社内容情報
薩長だけじゃない「もうひとつの明治維新」
明治維新によって失業した徳川家家臣=幕臣たち。彼らは新時代をどう生き抜いたのか。敗者の地位に甘んじることなく、薩長への反骨精神をバネにして新国家に活力を与えた「旧幕臣の生き方」を描く。
内容説明
徳川幕府が倒れた明治維新。それは、時代劇でお馴染みの与力や同心たちなど、大量の徳川家家臣=幕臣たちの失業を意味した。しかし彼らは、そのまま負け組として消えてしまったわけではない。新政府への反骨を胸に秘めながら、政界、言論界、実業界などで多くの「元幕臣」たちが頭角を現し、日本の近代化を下支えしていく。そして明治中期には、自分たちを育んだ「江戸」を後世へ伝える活動を立ち上げるのだ。薩摩・長州藩を主役とする従来の歴史叙述では描かれることのない、新たな幕末維新史。
目次
プロローグ もう一つの無血開城
第1章 江戸町奉行所最後の日
第2章 江戸の解体
第3章 東京府の混乱
第4章 幕臣たちの巻き返し
第5章 町奉行所のOB会の結成
著者等紹介
安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年生まれ。歴史家。文学博士(早稲田大学)。JR東日本大人の休日倶楽部、東京理科大学生涯学習センター、NHK文化センターの講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gachi_folk
3
明治維新による多くの変化。それは旧幕臣達の力に支えられていた。敗者に転落した彼らは言論での対抗として新聞を創刊し、同心・与力達は引き続き東京の治安を守り続けた。そこにあるのは江戸っ子の意地。八丁堀の旦那たちは、明治の世も意地と粋を貫いていた。頭が下がる。2012/12/03
ぴょる吉・アンジェリーナ・Y
3
明治維新後、薩摩・長州を中心とした政府により、日本がいきなり近代国家になった印象がありますが、実は優秀な幕臣達の助けがあったからこそ、短時間で欧米にも肩を並べる事が出来る国家になったという事が優しく書かれています。特に江戸から東京へと変わる過程で北・南町奉行所で働いていた幕臣達の協力なくしては、首都としての東京の街づくりは難しかったものだと思われました。やっぱり江戸時代は面白いなぁと再確認させてくれる一冊でした。2012/06/07
ダファー万歳
0
江戸幕府の侍たちの大活躍を期待したのだけど、期待が強すぎたのか、正直面白くなかったです。それに明治初期の文献の引用が多すぎて読みにくいです。2011/09/06