集英社新書ヴィジュアル版
ゲーテ『イタリア紀行』を旅する

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204322
  • NDC分類 945
  • Cコード C0226

内容説明

ゲーテには、文豪という顔のほかにワイマール公国の顧問官という政治家の顔もあった。7歳年上の人妻、シュタインとのかなわぬ恋に疲れたゲーテは、遁走するようにイタリアへの旅に出る。しかしイタリアは、ゲーテにとって若い日から夢見た憧れの「都」でもあった。北イタリアの諸都市からローマ、ナポリ、シチリアへとつづく旅は、好奇心に満ち満ちている。そしてゲーテは、その1年10ヶ月におよぶ旅を、克明な日記に書き残した。本書は文豪の「知の旅」を辿り、それを体感するものである。

目次

第1章 イタリア出発までのゲーテ
第2章 ブレンナー峠からヴェローナまで
第3章 ヴェローナからヴェネツィアへ
第4章 ヴェネツィア
第5章 ヴェネツィアからローマまで
第6章 第1次ローマ滞在
第7章 ローマからナポリへ
第8章 ナポリからシチリアへ
第9章 第2次ローマ滞在

著者等紹介

牧野宣彦[マキノノブヒコ]
1945年生まれ。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒。旅行会社に就職し、日本ではじめてウィーンの「ニューイヤー・コンサート」ツアー、ミラノ・スカラ座のオペラ・ツアーなどを企画する。その後、シエナのレストランで修業し、ボローニャに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

361
本書は著者(牧野宜彦氏)が「『イタリア紀行』は、ゲーテの訪れた場所の写真がないと読むのが難しい作品だと改めて痛感した」ことが執筆の動機であると語っている。それで随所に建物や街並み等の写真が添えられているのだが、それがはたして有効に機能しているかというと、残念ながらそうでもない。個々の写真が小さいせいもあり、また写真そのものにもインパクトが乏しいせいもあってゲーテが見た光景のイメージが膨らむというには至らないのである。ただし、この本自体は『イタリア紀行』の紹介本としての役割は一応果たしており、無駄ではない。2021/08/22

まーくん

89
ゲーテの『イタリア紀行』は数年前に岩波文庫(相良守峯訳)で読んだが、全三冊の上まで。昭和35年改訂と古い上、活字が小さく読むのに難儀。諦めてはいないが次に進めないまま。本書はその『イタリア紀行』を読み通すには、ゲーテが訪ねた場所の写真があれば実感が湧くだろうとの親切な発想なのだが、写真が小さいためか、今一つ。旅行ガイドと作品解説の二兎を追ってるため内容が詰まり過ぎ。ただ、旅の経緯や背景についての解説で改めて作品を理解でき、ゲーテのイタリアへの憧れとローマを前にし浮き立つような感動を再び味わうことができた。2021/09/12

イプシロン

32
上中下巻という『イタリア紀行』を260頁でガイドするのは無理があるのだろうが、著者なりの努力でコンパクトに纏めようとした意図が伝ってくる。写真が小さいとか、構図が……とか、不満に感じる部分があるが、ゲーテが見たものを興味をもって追いかけた情熱には感服した。ゲーテの現地での足跡を辿り、彼が見た絵画が2000年代以降どこにあるか、彼が旅した時代背景なども徹して調べていることに苦労が偲ばれた。調べたことは全部お伝えしたいという思いが強すぎる文章ゆえか、早口でまくしたてられているような読書感になるのが残念だった。2019/02/04

ごへいもち

14
ワイマール公国随一の高給取りの役人がその給料を受け取りながら2年近くもイタリアを旅するなんて今じゃありえないけど これが文化っていうものなのかとも思う。しかしくだらない本は読んでもゲーテのオリジナルを読むことは今後ないかも。それが私のレベル…2011/09/12

Masakiya

5
アンデルセンのイタリア案内の次にと、岩波の3分冊ではなく写真入りの案内書を手にしてしまう自分のヘタレさはともかく、ワイマール公国に仕えていたゲーテが37歳の時に、言わばサバティカル休暇を取得して行なった1年半に及んだイタリア紀行。 『若きウエルテルの悩み』が、その内容の不埒さから、ローマ教会の反発にあって回収処分になっており、ローマにはお忍びの潜伏に近い形でくらしていたというのも、当時の事情が知れておもしろい。ミケランジェロの最後の晩餐を前に、語る言葉がないと告白するところが印象的。素直でいいやつじゃん。2018/12/09

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