内容説明
ネコは本来外で暮らす動物だ。しかし、現代日本の特に都会では、地域が共有する空間や住宅などの事情から、ネコの室内飼いが推奨され、ともすればその本性や習性が抑えられがちである。ネコもヒトも自立心の強い、個性豊かな生きものである。それが一緒に暮らすとなると、刺激的なだけにまたお互いストレスもたまる。時代とともにペットとヒトの関係も変わる。本書では、東京下町の獣医師である著者が、その体験に基づいて、ネコとヒトが現代を共に生きるためのよりよい関係を提案する。
目次
第1章 縁あって猫の飼い主となる
第2章 猫には猫の秘密がある
第3章 猫を室内で飼う
第4章 野良猫とのつきあい方
第5章 猫と暮らすということ
第6章 猫の食事
第7章 猫の健康
第8章 猫の家庭医学
著者等紹介
野沢延行[ノザワノブユキ]
1955年東京生まれ。獣医師。北里大学畜産学部獣医学科(家畜外科学教室)卒業。西日暮里で動物・野沢クリニックを開業。病院に近い谷中の増えすぎた野良猫問題にも取り組んでいる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
34
タイトルを誤解していたようだ。著者が猫と暮らしてのエッセイというより、獣医師として読者に猫との暮らし方の指針を示す、そんな本だった。 我が家は室内飼いだが、外で虫や小動物を狩ったり、足の向くまま遊びに行かせてあげたいと思うのだが、猫の安全面や家の衛生面を考えると実行に移せない。気密性が高く衛生的な現代の家屋は猫の暮らしにくい家なのだろうか。後半の猫の食事から健康面の章は、いかにも獣医師らしい書きぶりで参考になる。2016/03/28
もりくに
27
我が家の猫は、14歳。立派な「高齢猫」。最近食が細く、いろいろやってみるが、うまくいかない。元気ではあるのだが・・・・・ というわけで、この本を読んでみた。タイトルは「ネコと暮らせば」だが、下町の獣医さんが「ネコ との暮らし方」を教えてくれる。高齢猫に心がけることでは、「狩り」の本能が発揮できるようというにということが、言われてみれば「そうか」と思った。「猫の潮時の見極め方は極上です。じっと空を見、風を感じ、静かに仲間と会話を交わし、時を測る。だから猫は、哲学を生きている。」と、哲学者の左近司祥子さん。2018/04/30
ユズル
21
獣医さんの書く猫本をよく読みますが、これは、あまり他の人が書かないことも書いてあって、なかなか読みでがありました。野良猫のことなども詳しく書かれてあり、ためになりました。2018/10/04
チョコモカ
11
往診したり、散歩したりして地域の猫の事情に詳しいので、普通の獣医さん以上に何でも相談出来そうですね。野良猫が地域と上手く共生出来ますように。2021/05/11
ykshzk(虎猫図案房)
11
獣医さんが書かれた本だけあって、衛生面や病気の話など具体的な内容が多く、タイトルからの想像よりは、やや勉強本的な印象。食事の項目については、全てキャットフード(カリカリのほう)に頼っている私としては特に勉強になった。とはいえ、こちらで推奨されている、キャットフードを減らしてでもまるごと一匹の魚を毎日、というのもなかなか難しく。鰻も良いそうだが、全く味の付いていないものは探しずらい。日本猫の食器は昔から鮑の貝殻の形とされているそうで、それぐらいは見つけてこようか。災害時の避難対策も、日頃から考えておきたい。2018/06/14